ストレッチゾーンの目標で成長を加速する

第950号

2015年、日本が南アフリカを破る
大金星を挙げたときのラグビー日本代表監督
エディー・ジョーンズさんは、

「私の仕事は居心地を悪くさせることだ」
と言います。

実際に、引っ込み思案でチームに
馴染めない選手がいれば、
思い切ってレギュラーに抜てきし、
他の選手と、より積極的に
コミュニケーションを図らなければ
ならない状況を作ると言います。

居心地の悪さというのは、
緊張感と言い換えることが
できます。

これを仕事に置き換えれば
『コンフォートゾーン』から
抜け出させて、高い目標を達成
するようにする、ということです。

慣れた仕事は安心してできますが、
あえて少し背伸びしないと届かない
『ストレッチゾーン』に踏み出すことは、

成果を出すためには勿論ですが、
個々が成長するためにも大切です。
———————————————————-

そもそも、心理的な領域を表す
言葉に、以下の3つがあります。

コンフォートゾーン

ストレッチゾーン

パニックゾーン

これは、ビジネスでも
目標の設定水準を表すときに
使われています。

コンフォートゾーン
→ストレスや不安がない居心地が良いと感じる心理領域
目標設定でいうなら、苦労や努力なしにストレスなく達成できる設定です。

ここにとどまっていると、大きな成長は見込めません。

ストレッチゾーン
→安心感や居心地の良さを感じる領域を抜け出し、自分の能力を
超える未知の体験をすることで、不安やストレスを感じる状態

目標設定でいうなら、
背伸びしてやっと達成できるかできないか、
という設定です。

塩梅が難しいところですが、
ここを目指すことが成長につながります。

パニックゾーン
→今まで培ってきた能力が通用せず、何が起きているのか
把握する許容範囲を超えてストレスや負荷が大きすぎる状態

目標設定でいうなら、
目標設定が高すぎて、不安やストレスを
過度に感じるほどの設定です。

目標は高ければよいということでは
なく、失敗でなく挫折するまで折れ
てしまう可能性もあるので、ここは
避けたい領域です。

目指したいのは、
コンフォートゾーンから抜け出して
ストレッチゾーンに踏み出すことです。

そして、最初はストレッチだった
仕事や目標が、コンフォートに
なってしまうということも忘れては
いけないと思います。

そこに気が付かず、抜け出せないまま
居心地のよいところにとどまっていると
働かないオジサン化してしまいます。

あるいは、
長年担当してきた仕事を
部下や後輩に任せる意味は、

ベテランにはコンフォートゾーンの
仕事でも、部下や後輩には
ストレッチゾーンの仕事という
ことがあります。

各部署、仕事を分類してみれば、
仕事の数は、そんなに多いという
わけではないと思います。

人を育てる、という視点からも
ベテランは慣れた仕事は手放して、

新たな挑戦を続けていくという
仕組みにして活性化していくことが、
今いる人材で成果を出すためにも大切です。

頭ではわかっていても、
なかなかストレッチゾーンには
踏み出せないものです。

そんなときに助けになるものに、
社員が成長する面談(1on1)があります。

なぜ1on1で成長するのかと言えば

1on1で意識するのは
経験し→振り返り→教訓を引き出し→教訓を応用する

というサイクルを回すことにあります。

経験したことを振り返り、
何かしらの教訓を見出して
自分なりのやり方に落とし込んで
あらためてやってみる。

そして、経験したことを
振り返ることで、学びが深まる、
というものです。

誰でも最初は、ストレッチゾーンに
挑戦していて、それがいつか
コンフォートゾーンになったのだと
考えれば、

上司の後押しを受けて、新たな
ストレッチゾーンに踏み出す
ことができます。

こういうお話をすると、
「飴とムチ」ですね。と
おっしゃった方がおられました。

エディーさんは、代表合宿の間、
ひたすら選手の一挙手一投足を
観察し続けて、そのうえで
あえて刺激し、緊張感を作り出します。

どうぞ、居心地の悪さだけでなく
社員が成長する面談の”セット”で、
成長を加速させていただければと思います。

お読みいただきありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

このブログを編集して、
メルマガを平日2回お届けしています。
ご希望の方は、 下記フォームよりご登録ください。

メルマガ申し込み
 

関連記事

コメントは利用できません。