課長の仕事はポジティブアプローチ

第947号

新しく総務課長になったその社員さんは
毎日遅くまで仕事をしています。

送られてくるメールも夜7時なんて
いうのがザラです。

着任早々だから、と思って静観していた
社長も、総務には働き方改革の旗振りを
してほしいのに、課長がこれでは、、、と
困っているとのこと。

確かに人が足りず、忙しいのですが、
最近は元気もなく、部下への指示も
遅れがちで支障が出ています。

課長に上司が役割や責任をちゃんと
示してしていないとか、
いろいろ原因はあるのですが、

課長自身の問題として、
それは、ギャップアプローチに
ありました。
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悩みや問題そのものに着目して
その問題自体を解決していこう
とするのが、ギャップアプローチ
です。

「どうしてこうなるんだろう」

「何が悪いんだろう」

と、原因を追及していく考え方です。

原因を追及していると、
だんだん出来ない理由ばかり
思い浮かんでしまい、

それでは、本来の目的を
達成することはできません。

出来ない自分を責めるような
気持ちにもなって、

自己否定して、自分で自分を
追い込んでしまうこともあり得ます。

管理職になった途端に休職してしまう、
ということもあります。

社長が心配していた総務課長も、
自分がなんとかしなければ、
という思いが空回りして
残業が増え、

自分で仕事を抱え込み、
責任感でがんじがらめに
なってしまっていました。

責任感があるのは悪いこと
ではないですが、

責任の向かう方向は、原因追及
ではなくて、

目指す理想(あるいは目的)に
導くことで、
これがポジティブアプローチです。

「どうなっていたらよいだろう」
という目指す理想を起点にして、
現状と理想の間のギャップを
どうやって埋めるか考えるという
ものです。

問題に対する考え方としては
ギャップアプローチ
ポジティブアプローチがあります。

少なくとも、成果を出すことが役割と
される管理職は、ポジティブアプローチ
の考え方だと思います。

それは、”問題”というのは
いわゆるトラブルのことだけを
指すのではないからです。

もう少し広義の意味としては
目指す目的(成し遂げたい理想)と
現状の間のギャップ、

これを”問題”と捉えることだと
思います。

管理職は、目の前の問題に対処する
ことも必要ですが、それに一喜一憂
するのでなく、むしろ、この広義の
意味の”問題”を解決することが
役割だと思います。

なぜなら、成し遂げたい理想の
実現が、会社の求める成果だからと、
思うからです。

ですから、必要なことはポジティブ
アプローチできるかどうか、という
ことになります。

仮にギャップアプローチで問題を
解決できても

それは、問題がなくなった状態
=プラスマイナスゼロの状態に戻った、
というだけ、と言えます。

日々、課長には社長や上司からの
要望が降ってきて、

そのたびに、
それを解決することに忙殺される
日々かもしれませんが、

それも大切ではありますが、
そこがゴールではなくて
その先を見据えていきたい
ものです。

そのときの指針は
やはりビジョンです。

ビジョンが明確で共有されて
いると、目の前の問題を解決
した先に躊躇なく進むことが
できます。

厳しい言い方になってしまいますが
管理職として問題に取り組む
というのは

マイナスの状態をゼロに戻して
その先にある目的を達成すること
だと思います。

ここまでやって、初めて
「仕事している」
「役割を果たしている」
と言えるのではないか、と
思うんです。

そのためにも、社長は
たとえば評価シートの評価項目
という形でもよいので、

求めている役割を伝えてほしいと
思います。

お読みいただきありがとうございました。
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ポジティブアプローチも含めて
課長のレベルアップに必要なスキルを
本にしたのが、チームビルディングの師
である石見幸三さんの書籍
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