研修の効果を引き出す段取り

第946号

先日、ある会社を訪問して、
社内に課題はありますか?とたずねると

先日、社内で研修をやったのですが、
出席率が低くて、良い内容だった
だけに残念だった、

ということでした。

人事総務の方は、
誰でも、やり方を聞けば、
そんなことくらい知っているということを
やらずに研修日を迎えてしまっている
ことがあります。

研修は、当日の内容も大切ですが、
そこに至る段取りがうまくできるか
どうかで、良し悪しが決まります。
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研修を行う目的とか、
終わったときにどうなってほしいか、

こういうことをあらかじめ
決めておくことが大切だとは
思いつつ、

言語化しないまま、
研修を実施すること自体が
目的になってしまうことが
多いような気がします。

毎年定例で、研修を
されている会社は、そういう
傾向が強いかもしれません。

研修を企画して実施するときは
なぜ、この研修を行うのかを

社員の方に参加案内するときに、
一緒に伝えておくことが大切だと
思います。

出席率の低さを残念だとおっしゃ
っていた会社は、
社員の要望に応える形でテーマを
決めて開催決定した経緯があった
ので、

何のための研修なのか、を
「伝わる」ことを意識した
説明はしておらず、いわゆる
「お知らせ」のみでした。

研修前に説明する目的は以下の
2つだと思っています。

・興味を持ってもらうこと

・研修の優先順位を明確にすること

興味を持ってもらって
受けようという体勢を作って
参加してもらうことは重要です。

自分ごととして参加してもらえると
本気度が違ってきます。

研修の優先順位は、実は明確に
されていないように思っています。

「出来るだけ参加してほしい」のか、
「仕事を調整して参加は必須」なのか

この2つを研修前に知っておいて
もらうためにも

研修を行う目的や、
終わったときにどうなってほしいかは
研修実施を決める際に明確にして
おくことは大切です。

そして、当日
あらためて、研修の始めに
講師あるいは会社から
研修する主旨の説明をします。

アイスブレイクでは、
みんなで今日のテーマの
問題意識を共有するワークを
行います。

たとえば、上司のリーダーシップ
を磨く研修では

良い上司、悪い上司を
グループワークであげて
もらうことも、その一例です。

こうして、今から聴く内容は
他人事ではなく、自分事、
身の回りで起こり得ること
として、あらためて認識する
ことができます。

講師から、
「今日の研修で、何を持ち帰りたいですか?」

というような質問をされた経験が
あると思います。

ワークで問題意識をもった
ところに、プラスして
今日、それが解決している
ところをイメージしてもらいます。

自分のためになる(メリットがある)
内容として、真剣に聴く体勢が
出来上がったところで、
いよいよ本題に入っていきます。

ただ、そうやって組み立てて、
実施しても、研修で得られる
効果には、限界があります。

研修でできることは、
人が変わっていく6段階で
言えば

知らない

知っている

やってみる

わかる

できる

している
 (ホメオスタシスの壁)

「知らない」を「知っている」
レベルに引き上げるところが
研修のレベルであり目的です。

明日から行動が変わる、という
ところまでを期待するなら、

それは研修とは違ったアプローチに
なる、次の段階です。

そこに行くかどうかも、
会社が「どうなってほしいのか」
次第です。

まずは、「知っている」レベルに
到達するための研修としての
最大の効果を引き出すためには、
本題に入るまでの段取りが重要です。

これから研修を実際されるときの
参考になれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。
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