求人票からわかる人手不足時代の仕事の担い手

第543号

求人票のセミナーで求人票の弱点診断を
するために、ハローワークに行って、
実際の求人票を見てきました。

求人にはあまり関係ないのですが、
定年年齢の項目が65歳、
あるいは勤務延長や再雇用が70歳
と書かれた会社が増えたような
気がします。

少し前、定年年齢を60歳から65歳に
延長すると助成金が受給できる
というのがありましたが、
そのせいばかりとも思えません。

顧問先では、有期雇用で70歳の人が
働いている会社も多く、
実質仕事の担い手としては、
すでに高齢者が大きな戦力であることに
間違いありません。

以前のブログでも
「労働力確保の意味から、
中小企業でも、高齢者の
就業環境を整備しなければ
なりません」と、書きました。

老後資金2000万円報道や
働いて一定以上の収入がある人の
年金を減額する
「在職老齢年金制度」を見直す
方針を政府が固めたという
ニュースなどは、
暗に65歳以上の方が働くことが、
ますます現実味を帯びてきた
というものです。

では、企業はどういう受け皿を
用意できているかというと、

求人票に話を戻すと

定年は65歳でも、
求人には年齢制限を付けています。
(年齢制限は禁止ですが、例外として
認められる場合あり、としています)

これは、実態としては
高齢者を雇用し、活用しているけれど
それを仕組み化していないという
ことだと思います。

本音は人の活性化を進めたいので
うまくバトンタッチして若い人を
入れたいというところかもしれません。

ただ、現実には、人が採れない以上
人手不足に悩む中小企業は、
この高齢者を仕組みとして
戦力化しなければならない時期に
来ていると思われます。

ルールは実態の後に
決まっていくものですから
そろそろ実態にあった
ルール化が必要な時期
とも言えると思います。

ポイントは、賃金をどうするか、
どう決めるか。
これが大きな問題です。

これまで通り、個別に決めていく
という考えもありますが、
まだまだ成長し、成果を出してほしいと
思うなら、仕組みにしていかなければ
なりません。

同様に、女性労働者についても
戦力化を考えなければなりません。

求人票でも、
働くママさんを応援しています。
という記載が、保育園を始めとして、
特記事項に見られるようになっています。

来年1月から変わるハローワークの
求人票のフォーマットには
「育児休業取得実績」があるかを問う
項目が新設されます。

女性の場合、どうしても子育て期間中は
労働時間の制約がありますが、
労働時間の制約を除けば、
間違いなく活躍の範囲は
広がっています。

賃金制度はひとつだけ、
と考える必要はありません。

働く条件が違えば、
賃金表は同じである必要はありません。

子育て期間中の女性社員も
これまでは、短時間労働者として復帰する場合

単純にフルタイム時の賃金を、
所定労働日数で割って日給を出し、
それを1日の労働時間で割って
時給を出し、そこに
新しい労働時間数を乗じて
日給を出していました。

それを実労働日数分支払って
月額賃金としている会社が多いです。

賃金はこうして決めていますが、
評価では、対象外であることも多いです。
1年程度ならまだしも、
それが3年、5年となったとき
それでは女性の活躍に応えられません。

短時間労働の間は、昇給の対象から
はずれていることが多いのも現状です。

60歳をすぎた高齢者は
定年と同時に、評価の対象外
としています。

現実には労働時間の減少はあっても、
定年前と同様の業務をこなしている
場合であっても、です。

高齢者や子育て中の女性社員も、
労働時間の枠のなかで、
仕事をこなしていきたい人には
仕事をばりばりこなしてもらうためにも
まずは、評価制度の対象者として、
仕組みを整えることが必要です。

難しいことではありません。

労働条件に合わせた
賃金表を作るだけです。

評価自体は、
同じ仕事をしてもらうのであれば
評価シートは原則同じでもよいです。

同一労働、同一賃金で
パート[有期雇用者]との差別化を
明確にするため、評価制度づくりを
検討されている会社も多いことでしょう。

と、同時に
高齢者や子育て中の女性社員の
賃金制度も作成してはいかがでしょうか。

女性に限らず子育ては
男性もするわけで、
男性の育児休暇を推進
するためにも、
多様な働き方に対応した賃金表で、
一時的に働いてもらい、
またフルタイムで働ける
ようになれば、使用する賃金表を
以前に戻すことも可能です。

結局は、すべての社員が
働きやすい職場にするために、
高齢者、子育て女子社員の賃金表の
見直し[作成]は急務です。

お読みいただき、ありがとうございました。

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