仕組みが合わなくなったら見直す前に

第988号

コロナ禍もおさまり、日常が戻って
きて、春は異動のシーズンでもあり
ます。

たったひとり、人を入れ替えるだけ
で、昨日まで言わなくても回っていた
部署が、急にバタバタすることがあり
ます。

チームは、人が入れ替われば、別物
になります。

それって、成果を上げる仕組みづくり
のチャンスです。


—————————————–

関与している会社が、コロナ禍以来、
久しぶりに異動を発令しました。

そのうちの1つの部署は、
周りから見ると非常に仲がよく、
楽しそうに仕事をしているという
印象です。

人を入れ替えるのは、何かお考え
があるのですか?と社長に尋ねると、

「今はみんな仕事に慣れた人ばかりで、
安心して仕事を任せられます。
でも、習慣になった仕事のやり方が
ずっと将来にわたってよいやり方で
あるとは限らないですよね。

たしか、ブログとかに書いていなかった
でしたっけ?」

とおっしゃいます。

確かに、そういうこと、書いています。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^
習慣化されたことが
ずっと将来にわたって、
よい習慣であるとは限り
ません。

その時点では最善の方法を
やり続けていくと習慣になり
ルールになったりします。

でも、それが現状と合わなく
なってきたら、本当はすぐに
見直さなければなりませんが
人は習慣を変えることに消極的
です。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^

こういう内容を書きました。

外から見れば仲が良くて
活気がある部署も

特定の人の長時間労働が
減らない、
という悩みがありました。

長時間労働の多くは習慣です。

所定労働時間内で仕上げ
なければならないものを、

いつしか、〇時間の残業時間
込みの時間内で仕上げる習慣
ができてしまっています。

それは、単に仕事のスピードを
上げることでは解消しません。

限界があります。

根本的に、働き方を変える=習慣を
見直すことが必要です。

それでも、中にいると、
いつもと同じようにやっている
ことが楽だから、なかなか変え
られないものです。

この部署は、仕事のやり方を
見直す時期、という判断で、
人を入れ替えたというものです。

ただ、人を入れ替えただけで
やり方が変わるというものでは
ありません。

習慣を手放せない声の大きな人に
引っ張られ、仕事のやり方を変える
ことができない可能性もあります。

強制的にやり方を変えても今まで
よりも生産性が落ちて、結局元に
戻ってしまうことも想像できます。

人が入れ替わったタイミングで、
面談したり、話し合って、コミュ
ニケーションを高める
ということも考えられますが、

それだけでは習慣は変わり
ません。

そもそも習慣を変えるのは
”手段”であって、”目的”
人時生産性を上げるという
『部署の成果』です。

私が学ぶチームビルディング
では、

組織が成果を出すには
人材力×組織力×関係力

この3つをスパイラルのように
回して掛け合わせることで成果
が出る、と考えています。

人材力:個人の強みや価値観のこと。

組織力:ミッション・ビジョン・バリュー、しくみやルール、目的や目標。

関係力:人間関係やコミュニケーションに関すること。

3つの力がどれひとつ欠けないで、
機能している状態であることが
必要です。

習慣は、仕組みであり「組織力」
です。

そこに直接メスを入れるので
なく、

往々にして、その手前にある
「人材力」の使い方に問題が
あることが多いことから、

まず最初に、人材力を使えて
いるうえで、

「組織力」に手をつけることが
効果が高いと思っています。

取るべき手段としては、
いかに人材力を意識して
仕事するか、です。

この会社で言えば
人が入れ替わったタイミングが
チャンスです。

構成するメンバーが違えば
コミュニケーションの方法は
違ってきます。

それは思考の特性、強み弱み
価値観が違うからです。

ですから

人が入れ替われば、それは新し
い組織になることで、

これまでのやり方ではうまく
いかなくなることがある 
ということに気づけるか
どうかが重要です。

だから、やり方を見直そう、
となる前に、

まずは、人と人は違って
当然ということを前提として、

自分との違いをわかろうと
思って人の話を聴くという
機会を増やしていくこと
からだと思います。

その次に、部署の目標や
ルールが明確になって、

仲良くなるためということ
でなく
それを達成するために

コミュニケーションを取る、
という流れです。

確かにチームと呼べるように
なるには、時間がかかります。

コミュニケーションがうまく
できるようになるまでは、
それはコストと言えます。

ですが、コミュニケーション
だけを上げたいのでなく、
成果を上げられるチームに
なることを目指すなら、

成果を上げるために
人材力×組織力×関係力の
3つをスパイラルさせながら
上昇させていく

というのを、やるしかありません。

そのためには、
時間もお金もコストはかかるけれど、
お互いの違いを知って理解を深め
合えるような場づくりが必要です。

それをすべて部署に任せるのか、
会社主導で環境を整えるのかどうか、
という、会社の判断が重要になります。

お読みいただきありがとうございました。
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