人件費を予算化して仕組みにする

第991号

私が作成支援する人事評価制度の
ベースは

経営者がこれまで頭の中で
考え、決めてきた評価や昇給・賞与の
決め方を言葉や数字として見える化、
可視化する

松本順市さんの成長制度
https://www.1ess.com/ です。

会社の数字を可視化するという
ことの学びをさらに広げるために

和仁達也さんから、
キャッシュフローコーチとして
必要なお金のブロックパズルを
学びました。

お金のブロックパズルは、
経営コンサルタントの和仁達也さんが、
西順一郎先生のSTRAC表を加筆引用して、
会社のお金の流れの全体像を示したものです。

どうやって昇給額や賞与が決まる
のかという「決め方」を可視化で
きれば、それは仕組みになります。
————————————————–

仕組みにすることと同様に
会社のお金の流れを
会社の数字を使ってブロック
パズルにして社員と共有すると、

会社の業績と自身の賃金が、
どう結びついているのかが
わかります。

結びつきがわかれば、
どうすれば賃金を増やすこと
ができるのか、

即ち会社全体で利益を増やす
にはどうすればよいか、

共通言語を持って、社内で検討
することができます。

こういう話をすると

「いいですね、やりたいですね」
という経営者の方は多いのですが、

現実には、昇給、賞与の決め方の
可視化をしている会社は、それほど
多くはありません。

業績が好調な今はよいけれど、
業績が下がったときに、その決め方
通りに支給できるだろうか、と
考える方が多いようです。

根底には、下げたくないという
経営者の思いがあるからだと感じ
ています。

今までその都度周りの状況を見て
決定してきた会社は、

自分たちが決めたとはいえ、
仕組み(ルール)に自分たち
自身が従えるかどうか、不安
だという正直な声も聞きました。

でも、そういったことを
乗り越えて、

その都度考えないで
悩まずに決められるのが
『仕組み』にするメリット
でもあります。

私としては、
業績連動の仕組みにすること
に躊躇しているのに

業績とは全く関係ない
ベースアップに踏み切る
というのは、

中、長期的に見れば、会社
にとって大きなリスクでしか
なく、できれば避けたいとこ
ろです。

もちろん、それでは人が採用
できない、という危機感もわか
ります。

まだまだ新卒の初任給の
見直しも続くでしょうし、

賃上げ率3%が普通になる
可能性だって大いにあるわけ
です。

まず、中小企業としてやっておく
ことは、どうなれば、賃金は増
えるのか、というのが仕組みに
なっていることです。

そのためには、まずは
人件費の予算化です。

どんな人材が会社に必要なのか?
ということと同じくらい
人件費には利益のなかのどれくらい
をかけられるのか?

ここを明確にして数字として
持っておくことが大切です。

この二つに共通していることは
会社でなければ決められない、
ということです。

賃上げなどは、どうしても
世間一般の相場から
割り出したくなりますが

同業の会社の優秀な社員が
必ずしも社内で優秀な社員
にはならないことと同様に

昇給、賞与の決め方は
他社と同じではありません。

自社の過去の数字から
割り出して比較してみる
ことだと思います。

たとえば、

過去5年程度の決算書から、
経営数字がどういうとき
その支給実績となったのか。

それを見るために、帳票を
そのまま見比べてもよいですが

売上げ
変動費(仕入れ等)
粗利
人件費(役員報酬を含む)
その他人件費
粗利から固定費を引いた利益

そして

税金を支払ったり
減価償却費を繰り戻した後の利益

返済や設備投資を引いた後の利益

これらの数字を図に書き込んだ
お金のブロックパズルを書いて
比較してみます。

このとき人件費を決める指標が
「労働分配率※」です。

※労働分配率=人件費÷粗利

自社にとって目指す労働分配率は
いくらなのか?

これを決定します。

人件費が増えて
今、粗利を圧迫しているという
会社も多いと思います。

ということは、

これくらいの売上なら利益はこれ
くらい残る、という経営者のこれ
までの感覚が、通用しなくなって
きているということでもあります。

頭の中にある損益分岐点を
更新して

あらたなボーダーラインを
つかむために

人件費を可視化して予算化する
ことが急務です。

予算化できれば
昇給や賞与原資の決め方が
言語化できて、

事業年度の最初に社員に伝える
ことができます。

もちろん、原資が決まるから
その枠内で各人の金額を決定
すれば、人件費をコントロール
できます。

どうすればこの原資を増やせるか、
お金のブロックパズルを見ながら、
部署横断で、話し合うことができ
るようにもなります。

前年対比で決めていると
前年の数字によって、額が増減
するので、

そこから仕組みは生まれません。

仕組みができると、たとえ毎年
3%は難しくても
業績目標と連動して、
継続して賃金を上げる設計プランを
社内に示すことができます。

お読みいただきありがとうございました。
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