たとえ負けるとわかっていても

第385号

昔から兵法の教えいわく、「負けない戦をせよ」と
言われています。

これまで労務について相談をいただく際にも、
往々にして労働基準法は労働者保護が強い
という前提のため、

『勝てないまでも負けない備えをしましょう』
とアドバイスしてきました。

勝てるかどうかは時の運、
でも負けないための準備はできる、
からです。

その姿勢に変わりはありませんが
世の中の環境は加速して変わってきている以上
経営判断も速さが求められます。

なのに、労務については半年、1年かかって
どう対処するか判断してよいというものではありません。

例えば解雇

解雇権濫用、すなわち不当解雇と言われても
仕方がない事案だから、それを避けて
時間をかけて解雇事由の実績(証拠)を集めましょう。

これはよく経営者にお伝えする回答ですが、
これは、労務的には正解でも、経営的にはどうでしょうか。

少なくとも、解雇に踏みきるか、
時間をかけるか、どちらにしますか?
と問うべきでしょう。

ここをまずしっかり決断しないで、うだうだして
時間だけが過ぎてしまう、というのは避けたいものです。

決断を促してきたといっても
私自身、どうしてもリスクを強調して
伝えてきたように思います。

 

経営者に負ける戦いはさせてはいけない、と考えて。

でも、法律ではどうか
これを考えるのは当然のこととして
それでも、経営上の正解はどうなのか、
という視点を持つことも非常に大切です。

社会保険労務士とコンサルタントの違いは
こういうところかもしれません。

私、お客様に寄り添って、経営の視点にたって
意見していると思っていました。

僭越ながら、と前置きして
結構、経営に口を挟んで耳の痛いことを
言ってきたと自負していましたが、

 

”たとえ負けるとわかっていても、やらなければならないときがある”
という覚悟を持っていたかというと、
「まだまだだった」と言わざるを得ません。

多くの企業を上場させ、大企業をV字回復させた
コンサルタントの福島正伸さんは、
究極のコンサルタント10ヶ条のなかに、

まず最初に

・クライアントを徹底的に好きになる

そして、

・動じない、いつでもそばにいる

と書いておられます。

徹底的に好きになるとは、
単純な好き嫌いを超えて、
どこまで信頼できるか、
覚悟をもって最後まで寄り添えるか
ということでしょう。

人事や組織作りに携わると
法律という基準ではなく
会社や社長のビジョン等
社長の価値観と向き合って
判断することが多くなります。

 

労務の法的判断にしても
当然のように、法律の条文のなかに
答えがあるわけではありません。

いえ、
行間も含めて読み解けば、答えはあるのです。
ここを読み解ける専門家にならなければなりません。

カッコよく、
「たとえ負けるとわかっていても」
と、今日のテーマに書きましたが、

やっぱり負けたくないですね。

負けたくなければ、やらなければ負けません。

人事制度づくりのセミナーでは
「失敗したくなかったら作らないことです」
と伝えています。

わかってはいるのですが、なかなか踏ん切りがつきません。
サポート役が踏ん切りつかないでは、
社長は余計に判断できませんね。

自分を鼓舞するためにも、
今日のブログの最後は、
もう一度

”たとえ負けるとわかっていてもやらなければならないときがある”
と言い聞かせて終わりたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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