覚悟だけでは行動できない

第1081号

6月は1年の折り返し。
今年の目標の進捗はいかがでしょう。

あれほどやるぞ、と強く思った
はずなのに、動けていないことって
あります。

それは、「覚悟」が足りないのではなく、
覚悟だけでは行動できません。
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「覚悟」とか「絶対やります」
と言っても、行動できていない
ことに自分自身、愕然とすること
があります。

口だけだとか、覚悟が足りないから
だと思いがちですが、
覚悟することと行動は別ものです。

人が行動するときは、
行動している姿がイメージできて
いるからです。

つまり、人はイメージできない
ことはやらない、ということです。

イメージができれば、たとえ、
やったことがなくても行動できる
とも言えます。

ますます私には敷居が高い。

思考の特性によって、ひとつ
ひとつ積み上げて考えていく
人にとっては、

全体像を俯瞰で見ることは
難しいため、イメージしにくい
ものです。

やったことがないことの第一歩は
踏み出しにくいものです。

組織全体として行動を促進
させたい場合は、

イメージできるような仕組みを
作る、ということになります。

たとえば、人事評価制度では
制度設計後、半期あるいは
1年間「仮運用期間」というのを
設けてやってみます。

実際に評価し、賃金決定し、
評価面談をしてみる。

やってみなければわからない、
ということは、どうしてもあって、

これは作り手側の視点にたって
語ることが多く、

私も最初に、制度に不具合がない
か確認して修正するために、と
説明しますが、

仮運用期間は、初めて上司として
部下を評価することになる方々
にも、効果があります。

評価者研修を行い、そこで事例検討
することも有効ですが、

「知っている」ことと
「イメージできる」は違います。

知っているだけでは、イメージでき
ない人もいます。

ですから、例えば、
評価者研修で評価の必要性や、
やり方を学んで
→「知って」

仮運用で実際の実務を通じて経験
→「やってみる」

この順番で行うことで、イメージが
より具体的になります。

これまでに何度かお伝えしてきた

人が変わっていく6段階
(ホメオスタシスの壁)で言えば、

「やってみる」レベルまで
引き上げることになります。

知らない

知っている

やってみる

わかる

できる

している

「やってみる」は行動の第一歩です。

この「やってみる」を日々、
続けてやれるようになると
いうのが、

「わかる」「できる」レベルまで
引き上げることです。

引き上げて、行動を加速、定着
させるための有効な手段として、 
「振り返り」があります。

「経験」を落とし込んで学ぶ、
コルブが提唱した「経験学習サイクル」
では、

1.「具体的経験」

2.「内省(振り返り)」

3.「教訓」を引き出す

4.その教訓を「新しい状況に適用する」(=次の行動に活かす)

また1に戻る(ループする)

このサイクルのなかで、成長を促進
させていくのですが、

なかでも重要だと言われるのが、
「振り返り」:どれだけ深く、いろんな角度から考えられているか

これが、行動を「わかる」「できる」
に引き上げてくれます。

覚悟はいらない、とは言いません。
覚悟という言葉のインパクトゆえの、
つい、やった気になる危うさで、

やるべき行動まで落とし込めなかったり、
抽象的にならないように気を付けること
です。

そして最後は、行動で終われるように、
たとえば、覚悟を行動に落とし込むと、
どういう行動になるのかと考えてみると、
イメージしにくい思考の特性でも、

視界が広がり、行動に一歩近づいて
いきます。

お読みいただきありがとうございました。
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