人も組織も経験に学ぶ 「よく考えられた実践」サイクルで成長する

第314号

昨日は人の経験に学ぶというお話を
ブログで取り上げました。

自分の経験だけでは
せまい解釈による判断になるので、
他の人の経験からの考え方に学ぶ
ことが良い、転じてすでに学んでいる
人の手を借りることも良し、

ということを書きました。

では、経験は自分の価値観の範囲だから
役に立たないかというと、勿論そんなことはありません。

頭だけで考えるだけではわからないことが多いです。

 

部下指導の場において、
百万回言うより、たった1回の
失敗のほうが学びは大きいのです。

どうしたって、
経験しないとわからない
ことがあるのも事実です。

 

職場が生きる
人が育つ
「経験学習」入門

https://www.amazon.co.jp/dp/4478017298/

 

この本の中に、
知っている人は知っている
人材育成における「70:20:10の法則」
という法則が出てきます。

成人における学びの70%は
自分の仕事経験から、
20%は他者の観察やアドバイスから、
10%は本を読んだり研修を受けたり
することから得られる、

というものです。

成長という観点からすると、
残念ながら研修は10%程度なのでしょう。

他者の観察やアドバイスが「20%」というのは
少ないように感じますが、まさに、友人、知人
周りの人の経験や歴史上の人物の経験という
情報を、“どれだけキャッチできるか”

受け手のこちら側が問われている
のであって、20%だから影響が少ない
というものではありません。

では、経験から学ぶとは
どういうふうに学んでいるのでしょうか。

コルブという研究者の経験学習サイクルを
この本では多少修正して以下のようにまとめています。

①「具体的経験」をした後

②その内容を「内省し(振り返り)」

③そこから「教訓」を引き出して

④その教訓を「新しい状況に適用する」ことで

学んでいます。

 

大事なことは
「振り返り」
「教訓の引き出し」です。

 

人事制度で言えば、
一番大切な項目は
私は成果を出すための行動
として設定する「行動目標[重要業務]」
だと思っています。

成果目標の数値ではありません。

いかに今日は行動できたか、
出来なかったとしたら、どうして出来なかったのか、

この内省(振り返り)と
次は、こうしてみようという
教訓の引き出しが大事です。

 

チームビルディングでいえば
仮想体験ゲームで体験し、

そこから

こうしたらゲームがうまくいったのに、
このあたりからゲームがうまく進み出した
という振り返りを行い、

気づきを共有して、
実際に業務に活かすことを
繰り返します。

 

いわば”経験学習サイクルを回す”
という実践が人や組織の成長につながります。

 

このサイクルを回すことを
継続させることも重要なのですが、

より早く成果に結び付けるためには
サイクルを回すだけでは十分ではありません。

1.課題が適度に難しく、明確であること

2.実行した結果についてフィードバックがあること

3.謝りを修正する機会があること

人事制度でもチームビルディングでも
何を目標設定とするかが大事なことがわかります。

成長に導くコーチ役の支援の存在も忘れてはなりません。

全社的に失敗のリスクを避けるため、
また効率化という名のもとに、
部分的な仕事の関わり方をする
現場が多くなった気がします。

仕事で経験を積むと言うこと自体が少ない中で、
まずは意識して「任せる」ということも必要です。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを仕組みにして社員に伝える
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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