指示待ち状態からの脱却

第997号

人事評価制度は評価を決めるため
のツールだと思っているので、
作っただけでは、自分で考えて
行動できるような社員には
なりませんが、
部下面談を通じて「指示待ち状態」
からの脱却はできます。
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「自分で考えて行動できる社員に
なってほしい。
そういう人材を作りたいので、
人事評価制度を作りたい」。

そんなお声を、よく聞きます。

人事評価制度は評価を決める
ためのツールだと思っている
ので、そういう目的で作ること
に最適な制度だとは思いませんが、

何か行動基準を示してあげると
動けるようになるのではないか
と考える、経営者の気持ちは
わかります。

ただ、示すだけ、伝えるだけ
では動けません。

まずは、指示待ち状態から脱却
することだと思います。

確かに、
動きたいけれどどう動けばよいか
わからない、という社員にとっては、

どんな行動をすればよいのかが
わかるのはありがたいことだと
思います。

それが評価シートの評価項目
に書いてあれば、

見て、考えて、動いてくれる
だろうと思っても無理ありません。

でも、知っているから動く、
というわけではありません。

「そうか、そういうことか」
というように、

自分ができている姿がイメージ
できないと(=納得しないと)
行動には結び付きません。

大切なことは、
やらなければならない事柄は
わかった、その後に、

さて、「どう動きますか」

これをまずは尋ねて、
どうやって行動するか、
具体的なやり方を本人に
考えてもらうことです。

そして、

できていること
できていないことを

上司は、期中にフィードバック
することを続けることが重要
です。

この期中の部下面談や
部下指導の時間を取らず、

期末に評価を伝える面談
だけ行っているのだとすると、

人事評価制度は、
やはり、評価を伝えるツール、
という域はでません。

期中に行うフィードバックとは
できていることと、できていない
ことの事実のみを伝えたうえで、

目指す目標と現状のギャップを
どのように修正したいか、

本人にまず、考えてもらい、動い
てもらうということです。

どう取り組むか、
自分でどうやってできるようになるか

この実体験が、
自分で考えて行動できるように
なるためには大事なところです。

なかには、本人がひとりで考え
るのは無理だと決めつけてしま
う上司の方もおられるのですが、

考えられないわけではないと、
私は思っています。

いろいろ考えて、上司に伝え
ても

そのやり方が上司の考える
方法とは違って、

気に入らなかったり

「そんなことしか考えられないのか」

注意されたり、叱られたり
すると、

言ってもしょうがない、
と思ってしまい

結局、上司の指示待ち状態
になってしまっているのでは
ないか、と思うんです。

もしも、ある程度は、上司の
意見を押し通して、コントロール
することも必要だということ
であれば、

指示待ち状態になってしまう
状況を上司が作り出している
ということを認識していただき、

そのうえで、
自分で考えて行動するには
時間がかかる、

それを望むのは少し先の話、

として、理解していただけれ
ばと思います。

自分で考えて行動できる社員に
なるために人事評価制度を
有効に使うのであれば、

期中の面談で、
・自分で考えて
・自分で決めて
・自分で行動する

という実践を通じて

まずは、指示待ち状態から
脱却することが第1歩だと思います。

お読みいただきありがとうございました。
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