人が育っていないのではなく育ててこなかった社長へ

第321号

愛知県で「人材育成から日本の中小企業を元気にする」
という経営理念を掲げて奮闘する大竹英紀さんが、
人事制度の書籍を出版しました。

 

発売前に以前のブログでも本の題名を紹介しましたが、
いよいよ発売されました。

https://www.amazon.co.jp/dp/4772661298

 

大竹さんとは、石見さんから時期や場所は違っても、
ともにチームビルディングを学んだご縁で、
勉強会等で年に1~2度お会いします。

非常に似た取り組み姿勢だと思うので、
どういう切り口で書かれているのか
興味深く読み始めました。

まず何と言っても大切なことは、
社長の「人を育てるビジョン」だと言います。

熱い言葉が並びます。

他社がやっているからとか、簡単だから
という発想では人事制度はうまくいかない。

「人が育っていないのではなく、
育ててこなかった」ということに気づいてほしい。

評価というのは、教育そのもの。

これらはみな、社長の想いなくして
制度はできないということ行き着く、
大竹さんのこだわりです。


社長に本気の強い信念がないと
うまくいかないというのは、私も感じています。

 

人事評価シートは単なる紙切れだと言います。

作って終わりではなくそこからがスタート。
運用できなければ、評価シートの意味がない
ということです。

評価シートにあたる社員チャレンジシートは
役割成果(部門目標)と
チャンレンジ目標(個人目標)が
数値で測れるものを選定する
というのが特徴です。

数値目標を持たない
間接部門(スタッフ部門)の
数値目標の設定方法についても
書かれていて、これは普段頭を痛めて
いる私にも大いに参考になりました。

そして、関節部門と言えども、
やはり数値化することが大切だ
という持論に、共感し、自信を持つ
ことができました。

 

1章分とっての運用の説明は、
かなり具体的に書かれています。

運用スケジュール表は、
何から始めれはよいのか悩む会社にとって、
大きなヒントになります。

事前に何をするのかがわかっていることが大事です。

日頃それぞれ仕事で忙しいので、
何をすればよいのかわかっていないと、
時間を取れなくなって、結局
運用失敗につながることが多いものです。

 

運用の成否を決める部下面談についても

面談準備シートが紹介されていて、
事前準備で面談の効果が決まり
ますので、非常に実践的です。

 

そして大竹さんは、
人事評価制度が運用できるように
社員研修をされています。

本の中には触れていませんが、
ここにチームビルディングの要素を
取り入れたゲーム研修をしていると
聞いています。

人事制度は大竹さんも書かれている通り
即効性はありません。

私の実感としても
人が育つという点においては
少なくとも3年はやり続けることだと
感じています。

一方で、ここ10年ほどの世の中の
流れの早さを考えると、経営戦略としては
短期的に成果を出して継続することも必要です。

 

人事制度は処遇を決定するためのものではありません。
成長を支援するための制度です。

これは私がよくセミナー等でお伝えしている
言葉ですが、社員成長支援制度と称している
大竹さんもきっと同様の考えでしょう。

私は、そこにプラスして
人事制度の部下面談や目標設定を、
組織開発のひとつの取り組みとして
ピックアップし、

部門の成果を出すことにも
活用しています。

人に時間がかかることはわかっていても
組織として、目に見える成果は必要だからです。

人だけでも、組織だけでも
一面だけでとらえていては遅い
のだと思います。

ルービックキューブのように
多面でとらえて、複合的に取り組む
ことで成果が出るのが現代です。

人事評価制度作成運用においても、
組織開発と人材育成の
重なり部分の取り組み
という視点も必要です。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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