事務部門の会社への貢献を評価

第482号

少し前に働き方改革を意識した
「わたし、定時で帰ります」
いわゆるお仕事ドラマがありました。

現在、NHKで「これは経費で落ちません」
という経理部を舞台にしたドラマを
やっています。
視聴率的にも好調な滑り出しのようです。
経理を舞台にしてドラマができるのかな?
と思っていましたが、これがなかなか
地味にリアルな出来事が毎回起こるのです。

毎回起こる問題を経理的視点とスタンスで
理路整然と意見を述べて、解決する主人公の森若さん。

たとえば、第3回の内容は
部下の不正を見て見ぬふりをして
未然に防がなかった営業のエース山崎が、
「これで彼が少しは反省してくれて
一緒にプロジェクトやっていた人の
ストレスも解消されるなら、
結果としてよかったじゃないですか」

という開き直りというか自己の正当性を
主張するのに対して

コスト管理の観点でいくと
山崎さんが取引会社に謝罪に行った際の
往復交通費に 手土産代
それに (経理の)佐々木さんの残業代
1時間2, 031円×4時間
経理部全員の早朝出勤手当が
2, 500円×2時間×3人分

この合計額 2万9, 964円は
山崎さんが会社にもたらした損害です。

僕のせいなんですか?という山崎に対して

はい
山崎さんが
自分の責任から逃げたからです。
山崎さんが (部下の)馬垣さんの
不正を正してくれていれば
山崎さんのデザイン会社への謝罪も
佐々木さんの残業も
経理部全員の早朝出勤もなかったんです。

非常に明快です。

だからと言って、営業の人間関係に
口を出しているわけでなく、
自分の立場と役割からの正論です。

ドラマの最後の場面で、
以前から異動を認めてもらえないという
不満で、やる気をなくしていた山崎が
退職届を会社に出したと、
主人公の森若さんに告げたとき、

「本当に 営業の仕事が嫌いなんですか?」

山崎が
「別に嫌いでもないですけど
好きでもないです。」と、言うと

でも 得意ですよね?

昨日は 損失のことばかり話しましたが
山崎さんは
それ以上に利益を上げています。

これを聞いて山崎の顔が少し輝きます。

森若さんは普段から「イーブン」に
拘りがあります。
経理で言えば、貸借が合うこと。
そんな森若さんの言葉だからこそ、
素直に山崎に伝わります。

不正をした部下はその後、
出勤停止という懲罰を受けました。
現実の懲罰の落とし所としても、納得です。

評価制度を作る時、
営業とかであれば作りやすいのだけれど
経理、総務は業績に直接関連していないから
難しいという声をよく聞きます。

確かに難しそうですが、
この主人公の森若さんを見ていると、
経理としてのプライドをしっかり持って
会社に貢献しているのがよくわかります。

山崎に森若さんが

営業部では 少しくらい損失を出しても
また挽回できるチャンスが
あるのだと思います。
でも 私たち 経理部は
たった1円の間違いも許されない。
ごまかしたり 逃げたりできません。

このプロ意識をどう数値化して
評価するのか。
経理部員の1円にこだわる行動を
どう評価するのか。

私たちも拘って
しっかり評価で 答えたいものだな、と

そんなことを思いながら見ています。

お読みいただき、ありがとうございました。

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