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第996号
賃上げにはまず、業績を上げて
その結果賃金が上がるということを
理解してもらうためにも
たとえば3%と決めたとき、
それを実現するために増やすべき粗利、
あるいは売上はいくらになるかを算出して、
その金額を達成できれば賃上げ3%が実行
できる、という伝え方が大切です。
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賃上げでモチベーションが上がった
り、定着率が上がるものではないとは
思いますが、
人の採用と定着のために
中小企業でも、これからも賃上げ傾向
が可能な限り、続くと考えると、
![](https://www.suzukey-stone.com/wp-content/uploads/2024/05/29124576_schingin-300x200.jpg)
まず業績をあげて
その結果、賃金が上がる
という順番をしっかり説明
できることがますます
大切になってくると思っています。
そのためには伝え方が重要です。
今後も労働力人口が減少し、
政府主導で物価を上回る賃上げ
の実現を目指さなければならな
い空気のなかで、
・人件費を予算化する
・業績を上げて→賃金を増やす
ということは、
人事評価制度の設計を支援し始めた
当初から、支援先に伝えてきたこと
でもあります。
それは、
どうすれば賃金が上がるのか、
主体的にどう行動すればよいのか
を伝えることが、
会社の業績向上にもつながると
考えているからです。
![](https://www.suzukey-stone.com/wp-content/uploads/2021/01/1873897_szennenhi-300x213.jpg)
今、その業績を作るための、
そもそもの人材確保のために
賃上げが避けられない状況に
おいては、
ますます伝える必要を感じる
とともに、伝わらないもどかしさ
も感じます。
なぜなら、
社員の方は、会社の業績が厳しい
ことを理解していても、
「自分たちのこれまでの評価に対
しての当然の支給」と考え
経営者の方は
厳しい状況でも支給している
ことを社員は理解してくれて、
「これからも会社で頑張って
くれるだろう」という期待を
込めて支給しています。
社員として
経営者として
視点の違いによる行き違いをなく
すために、伝わる説明が必要だと
感じています。
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賃上げをたとえば3%と決めたとき、
それを実現するためには
どういう経営目標をたてれば実現
できるのか、です。
3%の賃上げを決めるなら、
増やすべき粗利、あるいは売上
は、いくらになるかを算出して、
その金額を達成できれば賃上げ
3%が実行できる、という伝え方
をすれば
経営目標と自身の処遇のつながり
が、イメージできます。
これまでも会社の人件費と
家計の収入を結び付けて説明
したりしてきたり、
昇給原資を増やす方法として
伝えたりしてきました。
![](https://www.suzukey-stone.com/wp-content/uploads/2018/06/お金のブロックパズル(無料画像)-300x179.png)
経営者の方にうかがっても
賞与や昇給を出せる損益分岐点
の経営数字を把握しておられたり、
粗利を所定労働時間で割って、
時間当たりの労働生産性を
幹部で共有している会社も
あります。
それらの数字がすでに手元に
あれば、3%賃上げに必要な
数字も割り出せます。
ただ、それをどのように社員
の方と共有するのかが難しい
ところです。
今の時点で私なりに、
伝わりやすいと思う方法で、
”どういう経営目標をたてれば
3%賃上げが実現できるのか”
説明したいと思います。
この経営目標を、事業年度の
最初に目標に設定して達成で
きれば、
社員は自分たちの力で昇給を
勝ち取ることができると考える
ことができるようになります。
必要な数値は
1.昇給合計額
賃上げ率3%だとすると
25万円の給与なら7,500円
30万円の給与なら9,000円
40万円の給与なら12,000円
会社全体の平均月収を25万
とすれば、
20人の会社なら、
25万×3%×20人=15万円/月の
アップです。
2.総額人件費÷所定内賃金
まず、総額人件費を出します。
10,000円賃上げすると
会社が必要な人件費は
10,000円ではなく、関連する
人件費も増えます。
で、それらを合わせて「総額人件費」
と考えます。
この総額人件費が、所定内賃金の
何倍かを求めます。
(採用時に人件費がいくら増えるか
人事総務でも計算されていると思
います。それと同じです)
それをここでは「総額人件費」と
呼びます。
仮にそれが1.6倍なら、
10,000円賃上げすると、
総額人件費は16,000円増える、
ということになります。
3.労働分配率
仮に50%とします。
4.粗利率
仮に20%とします。
これらの数値を使って賃上げ3%
を可能にする増やすべき粗利や
増やすべき売上を求めていきます。
□昇給合計額/月×12か月×(総額人件費÷所定内賃金)
=『昇給によって増える年間人件費』
例 15万円×12か月×1.6=2,880,000
□増える年間人件費÷労働分配率
=『増やすべき粗利益額』
例 2,880,000÷50%=5,760,000
□増やすべき粗利益額÷粗利益率
=『増やすべき売上額』
例 5,760,000÷20%=28,800,000
3%の賃上げに必要な
増やすべき粗利、あるいは
増やすべき売上を伝えることで
皆が目指す目標が明確になります。
![](https://www.suzukey-stone.com/wp-content/uploads/2018/10/8b5eb15fbd3c2c2d5590974c6f345867-300x200.jpg)
経営目標と処遇がつながります。
勿論、この数字は会社全体ですから
これを部署単位あるいは個人単位まで
落とし込めれば、なおさら身近になり
ます。
①目標を達成する
②賃上げ3%が実行される
という順番を、感覚的に理解して
もらうことができます。
あとは、これを達成するために
やるべきことが社内で可視化
されているかどうかです。
やるべきことの答えは
会社のなかにあります。
評価制度がある会社であれば、
この数字を実現するための指標が
評価シートの中に書かれている、
かどうか、ということになります。
お読みいただきありがとうございました。
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