長時間労働削減のため、仕事の属人化を防ぐ

第968号

法改正で月60時間を超える時間外
労働の割増賃金率が中小企業でも
昨年から50%以上となっていたり、

すでに未払い賃金の時効は、当面
3年に延長されています。

コロナ禍で長時間労働は、若干減少
していたものが、

コロナ前からの課題であった労働力
不足によって、

一部の社員の方に残業が集中
する、

という状況は改善されていま
せん。

結局、誰か「人」に頼る状況を
変えない限り、やっぱり仕事が
属人化して、長時間労働を生ん
でしまいます。

この構造を変えるために
まずは“みんなで”

どうすれば働きやすくなるのか、
決めることだと思います。
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属人化を防ぐには、前回のメルマガ
でも触れたように

誰でもできることはマニュアル化し
誰もができるようになるように、

実力の底上げのための仕組み化
が必要です。

でも、それをしても、
「人」頼みには変わりません。

誰かひとりがその仕事を担う
のでなく、

みんなでやる、って決めて
やれば

その仕事は、みんなの自分ごと
になります。

残業時間を集計すると、一番
多いのは管理職、という状況
がよく見られます。

これでは、本当の意味での
長時間労働の削減には程遠い
です。

上司なんだから、管理しなさい
という一言と、

就業規則に追加された、
残業は事前許可制という
一文から、

上司は部下の行動を把握し、
残業申請を出すように部下に
指示するというルールを
決めたとします。

ルールを決めただけでは
現場の負担が増えるだけ
です。

ルールを作っても、その
運用を「人」頼みにしている
ことに変わりないので、

上手くいかなかったり
形骸化してしまうことも
あります。

夕方4時以降は仕事を
指示しない、と決める、
というような

残業を減らすための
ルールが、

結局、その分、
上司が自分でやって、
残業が増える、という
状況に陥ります。

上司はますます自分で
仕事を抱え込みます。

誰かひとりが
やるのでなく

みんなでやる、という
発想の転換が必要です。

「人」に頼るのでなく
みんなでやると決める。

これは、組織の
新しいルールです。

現実には、みんなでやる
と決めても

状況によって不都合が
出てきます。

・こういうときは誰がやるのか

・自分のもともとの業務と割り当てられた業務は
どちらを優先させるのか

いろいろ起こり得る状況を
想定して

それも合わせて、
“みんなで決めます”

もともと人は
やりたいことしかやりません。

やりたいことは、

『できるイメージが浮かぶ』ので

やることができる、というものです。

こういう話をすると

みんなで決めるというやり方を
やったことがありますが

誰からも意見がでてこなくて
結局、自分で決めました。

と社長に言われたことが
あります。

初めから自由に話ができる人は
少ないです。

どんなことを話せばよいのかも
わかりません(教えられていません)。

これまですべて
トップダウンで決めてきた
のであれば、

確かに難しいと思います。

ですが、意見がないという
ことはありません。

みんなで決める、というのは、
意思決定のプロセスに全員が
関わっているということ。

決める前に皆が意見を出し
合っているという事です。

大事なことは

一人に仕事が集中しない
ために、みんながどんな
状態で働いているのが
よいと思うのか、

この、理想の状態を共有
できていれば、

自分たちが実現したい
ことになら、

知恵は生まれると、
私は思っています。

そうして、いろいろな
意見の方向性が見えてきた
ところで、

最終的にどう決めて、
どうやるかの判断は、

組織において決めるのは
社長や責任者です。

仕事の属人化を防いで
組織の構造が変わっていくと、
誰かにしわ寄せがいかない

本当の意味で、
長時間労働が削減されると
思います。

お読みいただきありがとうございました。
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