いつでも相談にのるよ、では遅い

第907号

面談の必要性を研修やセミナーでも
お話する機会があるのですが、

最後の感想で、
「いつでも相談にのれるようにします」
「聞きに来やすい環境をつくります」
というご意見をいただきます。

意地悪な言い方になりますが、
上司はそうやって手を差し伸べて
いるつもりでも、

部下のなかには、
何をどう聞いてよいかわからない、
だから聞けない。

という場合も多いものです。

待っているだけでは部下は
相談には来ません。

そして、最悪の場合、辞めていって
しまいます。

今、行動が止まってしまっているなぁ
と感じる部下がおられたら、

「何か困っているなら聞いてね」
よりも、
「ちょっと状況教えて」
という声がけしたほうが、
話し出しやすいんじゃないかと
思います。
————————————————————-

私が勤めていた当時は
上司に時間をとってもらうときは
「退職」を申し出るとき、

というくらいのつもりで、
面談をお願いしていました。

それくらい、面談は特別な
ものでした。

部下から上司に時間をとって
もらうのは、今の時代でも
なかなかに大変なことです。

ですから、
「ちょっと状況教えて」と
上司のほうから言われると

報告している流れの延長で
「ちょっと相談してもよいですか」
という言葉も出しやすくなります。

ところで、

普段は仕事の呑み込みが早く
言われなくても自分で考えたり
調べたりして
積極的に行動できている
部下でも、

行動が止まってしまう、
という状況があります。

仕事に慣れてきたころの
社員の方に多いと思うのですが、

行動するためにいろいろと
調べたり、情報収集しすぎて
かえって、どう動けばよいか
自分のなかで収拾がつかなく
なって動けない、

という状態に陥ることがあります。

まだ経験値が少ないこともあって
どうしても知識が先行して
思考のバランスが崩れて
まとまらないのだと思います。

そうすると、
頭に詰め込み過ぎた情報を
まず、整理しないと動けません。

上司からすると、
これまでの仕事ぶりから、
〇〇さんなら大丈夫だろう
と思って様子を見ていると

それでは遅い、ということが
あります。

先の先まで考えすぎたり
情報集め過ぎて
「ひとり相撲」してしまっている
ような場合は

考えるより、動いてみないと
わからない、ということに
気づいてもらったり

この先への不安をぬぐえるような
サポートが必要です。

相談してこないから大丈夫だと
思っていると、

「この会社では自分は成長できない」
そう言って辞めていってしまう
ことだってあります。

上司としては、どうして
そう繋がるのか、唐突に
感じるかもしれませんが、

最初の面談が退職の話になって
しまいかねません。

「自分で決める前に
ちょっと話してくれれば
よかったのに。。。」

と思った経験を、
上司の方は、一度はされたことが
あるのではないかと思います。

私にも視野が狭くなって
辞めるしかない、と思って
辞めた経験があります。

あと1年頑張っていれば
状況は変わっていたかも、と

辞めてから思うことが
ありました。

迷っている当時は
相談するなんてこと
思いもしませんでした。

面談を「成長するための場」
として、ポジティブに考え
られていれば、

ずいぶん状況は変わったのだと
思います。

普段から面談の時間が
スケジュール化している場合は

その機会に上司から声がけ
することが可能ですが、

スケジュール化して
いない場合など、

声がけのタイミングも
難しいものです。

少しでも
いつもと違うなと感じたら

例えば、指示を出した
仕事について

「ちょっと状況教えて」

こういった声がけをして、
どういう返事があるかに
よっては、

「ちょっと話をしようか」
と、もちかけるのがよいと
思います。

ふだんよりも状況説明が
大雑把だったり、
言い訳が多かったりしたら、
要注意です。

こちらから話しかけるからこそ
いつもと違う点があれば
気づくことができると思います。

例えば
「どう、調子は?」
という声がけだと

「大丈夫」しか返ってこない
と思うので、

いわゆる
二者択一とかYes,Noで答える
クローズド・クエスチョンの
声がけでなく、

制約なしに答えられる
オープン・クエスチョンで
投げかけるのがよいと思います。

そして、まずは話を最後まで
聴いてみてください。

アドバイスしたい気持ちは
いったん横に置いて

「話してみて、どう?」
と尋ねてみてください。

そこからがスタートだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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