人には言われたくない

第691号

勉強会の仲間とのzoomで、
年齢で区切った人向けに
セミナー募集するのは
どうだろうという案が出ました。

定年前後はどうだろう
という話から
60歳のモチベーションの話に
展開していき、

私が今年60歳になることから
何かの拍子に

「鈴木さんが気にするじゃない」
という冗談を仲間の一人が
口にしました。

私も笑いながら
「それって、ハラスメントですよ」
と言うと

「いやいや、僕もおんなじですよ。
もうすぐ、50歳ですから」

というやりとり。

なんのことはない話なのですが、

おそらく会社では
こういう会話は
危険ゾーンで

そもそも
しないでしょう。

気心しれた仲間、
安心、安全な場だと
思っていると、

こういう発言を
無意識に
してしまうことが
あります。

私も自分から、
今年60歳なんで、
と、頻繁に口に出していました。

本人が言っているんだから
大丈夫、

だと思って、
口にしたのでしょう。

私もそう思っていましたもん。

でも、この時、
気づいたんですが、

人には言われたく
ないんです。

言われたくないから
先に自分から言っていたんです。

自分でも気づくのが
おそいですね。

まさに、メンタルモデル
です。

それじゃぁ、周りは
わかりませんよね。

「人には言われたくない」
であって、
「あの人には言われたくない」
では、ありません。

どこが気になったのか
考えてみると

「僕も同じですよ。
もうすぐ50歳ですから」

という

僕も同じですよ
という部分に

少し経ってから、

少し気になり始めて

心の中で、
ちょっと思って
しまいました。

わかったようなことを
言わないで。

って。

だって、50歳と60歳は
全然違いますからね。

なんとなくの雰囲気で
「わかっているよ~」
って、言われてしまうと

それって
「わかってないよなぁ」という

反発ではなくて
むしろ、
わかってないんだ
という、落胆です。

会社で、
部下と話していて

相手の気持ちを
わかったつもりで

良かれと思って
踏み込みすぎると

「そこまでは言われたくない」
という反応を
受けたことは
ありませんか?

私のような
士業の場合

質問されると
つい、法律を
振りかざすつもりはなくても、

それはダメです!と
言ってしまい

「言われなくてもわかってる」と

心の中で社長さんに
拒絶されていること、

多分、あります。

踏み込みすぎても

ふわっとした理解で
つい共感を口にして
しまっても

相手の反発を
受けることがあります。

なかなか、難しいです。

どうしても
目の前の出来事に
反応すると

こういうことが
おこります。

社長から質問を受ける
ことが多い士業の場合

できる、
できないという
出来事に反応
するのでなく

そもそも、
どうしてそう思うのかなぁ?

どうしてそういう
判断したのかなぁ。

出来事の線上にある、
ビジョンやミッション

日頃の行動に
焦点をあわせて

ちょっと俯瞰して
観る意識が大事です。

最初にお話した
私の場合も

ただ、単なる事実として
今年60歳になるので、と
言っていたわけでは
なかったのです。

「実は不安に思っている」

という心理が
言わせていました。

発した言葉や
行動を詳細に
観察して、
判断することも
大事ですが、

文脈、状況、背景を考えて

どうしてそう思っているのか

どのようにして判断しているのか

ここを観ることで
見えていなかったものが
見えてきます。

「実は不安に思っている」

だから、人に言われると

自身の不安をあおるから

「人には言われたくない」

ということが
見えてきます。

そんな背景がわかって、
共感したうえでの

「僕も、同じですよ 
もうすぐ50歳ですから」

って言われたら、

私の受け止め方も
違っていたでしょう。

今さらですが

人は何となく話を
しているわけでは
ありませんね。

意識、無意識
であっても

そこには
なにがしかの
判断があります。

そこを見ずに
出来事や
言葉に反応すると

コミュニケーションは
深まりません。

どうすれば、
背景、状況、文脈が
見えてくるか。

それは対話しか
ありません。

お読みいただき、ありがとうございました。

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