誰かがやらなければならないからやっている

第985号

春を間近にして、
新入社員を迎えるために、
あるいは人事異動や転勤対応
で、人事総務も忙しそうです。

「誰かがやらなければならないこと
ですから、仕方ありません」

と言って、入社2年目の方が
黙々と動いています。

頼もしくなったなぁと思いながら
でも、険しい表情を見ながら
ふと、それって自分のために
なってる?って思ったものです。
———————————–

上司の方は、よくやってくれてる、
しっかりしてきたでしょ。と
目を細めます。

別の会社で、
いつも有休をしっかり使い切る人が
いて、自分さえ我慢すれば、と
その人が休んでいる間、フォロー
していた社員がいます。

〇〇さんがいて助かる、と上司も
言っていたのですが
とうとう我慢できなくて、

「なんでいつも自分ばかりが我慢
しなければならないんですか」と、
声を荒げて器物破損してしまった
ことがありました。

懲罰をどうしましょう、と聞かれて
一瞬、困ったことがあります。

それでも、事実は事実として、
やったことに対して、決定するだけ
だと会社にお伝えしました。

いずれの会社もがんばってくれている
2人を評価しているのですが、

やってくれていることに
自分の意思が働いていないと、
辛いというだけでなく、
成長にはつながりません。

もちろん、みんながみんな、最初
から、やりたいことがはっきりして
いるわけではありません。

誰もやらなければ回らなくなるから、
誰かがやらなければならないことが
あることも

好きなことだけやっていられない
から仕事なんだ、ということを

私も働いているときに言われた
ことがあります。

それでも、やはり
我慢しないで、自分の人生を
生きてほしいと思ってしまいます。

青臭いと言われても
だれかが我慢したうえに
成り立っている仕事のやり方は
変わっていかなければならない
とも思います。

みんなが思うことを言い合っても
成り立つような仕事のやり方に
変えていかなければならないん
じゃないかと思います。


もちろん、
仕事のやり方を変えるといっても
いままでいろいろやってきました、

(でも変わりませんでした)
という声を聞きます。

今は以前と違い、自部署だけで
完結する仕事は少なく、

横の部署と関連して仕事が成り立
っているので、仕事のやり方を変
える、と言っても簡単ではない、
ということも言われます。

大変だとわかっているなら、
なおさら、まずは、話し合って
みないと、相手のことはわからない
ということです。

何かを決めるための会議も
重要ですが

その前段階で、お互いを知る
ための対話の場がもっとあっても
よいのではないかと思います。

次の段階に会社を底上げする
ためにも、一度みんなで立ち止ま
って

どういう仕事のやり方をすれば
よいか、考えてみることも
必要ではないかと思います。

たとえば、

やることが多いと感じているときは、
「何か捨てられるものはないか?」
という視点は重要です。

評価制度づくりで、必須ではありま
せんが、仕事調べをすることがあり
ます。

そこに挙げられた行動が、
実は、上司から見ると
「重要なこと」は、そんなに
多くはないことが見えてきます。

そして、

「やってもやらなくてもそれほど
問題ないこと」があることに
気が付きます。

仕事を見直して、
生産性を上げるのも、もう限界
と言い切る前に

一回立ち止まって

自部署、他部署の多くの目で見て
「その行動は本当に必要か?」
「やらなければ、どんな影響が出るのか?」
と考えてみると

案外、重複している行動、省ける
行動が多いことに気がつきます。

そして、何かを捨てることで
ひとつ、自分のフィルターが
はずれると、

新しい仕事のやり方の道筋が
見えてきます。

そうなると、
無理にがんばらなくても
できる仕事が増えていきます。

そもそも、人は行動を選択
するとき

『快』となるものを選んで
います。

嫌だと思うものを選んでいた
としても、もうひとつの選択肢
と比較して

快に少しでも近いものを選んで
いるものです。

誰かがやらなければならない
からやっている
というのが、

我慢しないで
自分のために仕事ができるよう
になるには

その仕事がどういうゴールに
つながっているのか?
という「目的」がわかれば、

”自分は”どうしたいのか?
ということに照らし合わせて
自分の意思で

積極的か消去法かの違いは
あっても、選択することが
できます。

不快を避けることも快の選択を
していることになるとはいえ、
それは「しんどい」「キツイ」
という状況の手前の段階まで
なら、という話です。

しんどい、キツイと感じて
最悪の場合、離職してしまう
ようなことにならないために

指示を出す上司は
部下の強みや弱み、得意か
どうかを見て、

まずは、
「できること」をやってもらう
ことだと思います。

そして、ちょっと難しそうな
ことを指示出すときは、

どうしてあなたならできると
思って頼むのか、を説明し、

どうやれば、やってみようと
思ってもらえるか、
考えながら、伝えることが大切です。

お読みいただきありがとうございました。
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