ホウレンソウは任せた仕事が完了してから

第913号

良かれと思ってかける言葉の
「わからないことがあったらいつでも聞いてね」

この言葉は、管理職には有効でしょうか。

いつでも聞いていいよ、というので
あれば、それは仕事を任せているとは
言えないことになるのでは、って思うからです。
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「新規プロジェクトを任された部長が
いつも忙しそうで、メンバーから
何とかしてほしいと言われています。
どう、この部長に声がけすれば
よいでしょう。」

という質問を社長からいただきました。

社長の気持ちはわかりますが、
これって、ホウレンソウありきの
質問だと思うのです。

ホウレンソウは
何か指示、命令を出したことに
対して起こす行動ですから

部長の役割と責任において
仕事全般を任せているという前提で
あれば、

その過程においては、
本来、ホウレンソウの必要は
ないわけです。

でも、このままでは
いつまでたっても仕事が進まない。
止まってしまっている。

というのであれば、

それは、そもそも
任せ方があいまいだったから、
と、私は考えます。

具体的に考えてみると

現在、社長が気をもんでいる
プロジェクトの責任者である
部長には

・どこまで任せているのか
・プロジェクトの期限はいつと設定して伝えているのか

この点があいまいになっていないか
ということが考えられます。

こんなとき、どうしても
任せた後から完了までに、
ホウレンソウをほしいと
上司は思いがちですが、

『任せている』なら
任せた仕事が完了したら
ホウレンソウしてください。

と事前に伝えて、

完了後にホウレンソウをもらう
のが手順だと思います。

組織が自走すれば、
ホウレンソウも不要なんでしょうが、

組織が本当に自走するまでは
事後のホウレンソウはあったほうが
よいと思います。

その中で、さらに、
伝える側(事例の場合は部長)に
気づきが生まれることもあるからです。

仕事を任せるとは、
部下の育成のためでもあると
考えると、

すべてのホウレンソウが不要
だとは思いません。

何を報告するのか
何を連絡するのか
相談することは何なのか

この「何」を言語化しておくのは
事前の作業として、必要です。

ここまでの説明を聞いて、
冒頭の社長は

「まだ任せるのは早いって
ことかもしれません」と
不安そうにおっしゃるのですが、

一度に全権委任するのでなく
どこまでの権限と範囲を任せるか

任せる権限移譲の範囲を決めて
始めてみることだと思います。

それでも社長に不安が残るなら、

新規プロジェクトを、
この人に任せようと思った根拠は
『信頼』です。

信頼とは、証拠や実績でなく、
その人自身を信じて頼りとできるか。
です。

あらためて、信頼できるかどうか
考えてみることだと思います。

あるいは、

なぜ信じられると思ったのか。

ここを明確にしたうえで、
仕事を任せてほしいものです。

そして最後の仕上げは
部下から上司への一方的な
報告を受けるのではなく、


双方向の『対話』が、
止まっている部長の背中を
押してくれます。

お読みいただき、ありがとうございました。
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