業績や評価と関係ない賞与の基本給連動を見直す

第809号

夏と冬に賞与を支給している会社では
そろそろ夏の賞与について検討している
頃かもしれません。

昇給のように、個別に評価して額を決定
するというよりは、

基本給の何か月分を出すのかを決める、
という支給形態の会社が多いのでは
ないでしょうか。

評価について、オープンにしている
会社はまだ少ないというのが実感ですが、

賞与については、基本給の1か月とか
1.5か月とか。

決まりが明文化されていなくても
前例ありきで、なんとなく暗黙の了解が
社員に広まっていたりします。

この基本給連動という支給方法は、
そういう意味では、わかりやすい
かもしれませんが、

賞与を業績や評価と関係ない

つまり、変動しない、

固定給のような扱いにして
しまっているように思います。

「もっと社員にも業績を意識してほしい」

経営者がそう思っていても、

やっていることは、
逆行しているように見えて
しまいます。

わかっていても、
基本給を基準としているので
変更するには、

元になる賃金制度を変更しなければ
ならない、

というのがネックなんだと
思うのですが

それでは社員の成長は
望めないとも思うのです。
—————————————————-

基本給が賞与を基本給と連動
していると

結局のところ基本給が高い人の
賞与が高い、ということになります。

基本給が評価どおりで
いわゆる「払い過ぎ」て
いないのであれば、

この支給方法で
不満は出てこない
のかもしれませんが

期待よりも実力が発揮
されておらず、

例えば月2万円程度、
自社の給与水準より
払い過ぎていると
感じている場合

このまま支給し続けることは、
問題を先送りするだけです。

基本給が30万円の場合
その1か月分を夏、冬2回
賞与として支給している
のであれば

年間60万円の支給は
本来は56万円だったと
いうことになります。

今後も賞与を支給するごとに
この差額は埋まらないまま
支給され続けていきます。

もちろん、この差額は
毎月の賃金でも同じです。

そして、毎年自動的に
昇給する額があれば、
差は開く一方です。

この差額をなくす方法は
平均毎年5000円昇給しているなら
4年間、昇給を止めること以外に
ありません。

ただ、その間も、賞与の差額は
埋まらず、そのままです。

コロナ禍以前のような
人手不足が戻ってきました。

中途採用で採用するために
初任給を少し高めに設定
せざるを得ない、という声も
関与先から聞きます。

そうして実力に関係なく
高めに賃金を設定してしまうと

実際の実力と賃金の
ギャップに悩むことも
十分あり得てしまいます。

皮肉にも、
将来を期待して
賃金を高めに設定して
採用した社員の方が

・がんばっても評価で差がつかない

・支給の仕方が公平でない

・どうしてこの金額なのか説明がない

というようなことを理由に
やる気をなくしたり
退職してしまっては、
元も子もありません。

そもそも、社員の成長なくして
業績の向上はない、と思っています。

給与のなかに、
年齢給や勤続給ならまだしも、

説明ができない
払い過ぎという加算分について
説明しないままでよいとは
思いません。

説明し、給与明細で
分けて表示して

実力不足について
納得してもらうことが
大事です。

2万円分をいわゆる
「調整給」として、

成長して本来の給与に
取り込めるように

上司と部下で、一緒に
クリアしていく成長目標に
することです。

それは、将来の
”働かないおじさん”
増やさないことにも
つながっていくことだと
思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。
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