経営幹部の育成を準備するには時間が必要

第808号

2022年は3月から、毎月評価制度の作り方
セミナーを開催しています。

セミナーのなかで、現状と未来の組織図を
書いていただくワークを実施しているの
ですが、

参加者の方が振り返りで
「わかっていたつもりでしたが、
あらためて、5年後、50代以上
ばかりの部署になってしまうとは。。。」

と、危機感を口にしておられました。

実際に名前や年齢を入れて
書いてみて、眺めてみるから
気づくこともあります。

もちろん、
人生100年時代

中小企業退職金共済事業本部(中退共)で
記事を書かせていただいたように

https://www.suzukey-stone.com/wp-content/uploads/2022/05/cyuutaikyodayori21-1.pdf

年齢、性別関係なく
活躍していただくのが
よいのですが、

経営の未来を託す幹部として
任せられる人材の登用、育成もまた
必須だと思います。

まずは、誰を、
あるいは
どういう人材を
後継幹部とするのか、

話し合うこと自体が
後継者育成計画(=サクセッションプラン)
です。

私は、
後継者育成=次の社長候補
だけではなく、

後継幹部も含まれると
思っています。

サクセッションプランの目的は
組織にとって必要不可欠な
主要ポジションの変化に伴う
チャレンジと機会に対して
準備すること

「サクセッションプランの基本」より

準備には『時間』が必要です。
——————————————————–

そもそも、後継幹部育成は
大企業だけの話ではありません。

中小企業の社長とお話していると

「僕が〇歳になったら親族の〇〇に
引き継がせようと思うんです。
そのために、3年後には
工場から本社に異動させようと
思っています」

これは、よく聞くお話です。

実はこの後継者の方は
10年以上工場で働いていて
工程管理から製品管理も行う
工場長の右腕(実質、工場長)です。

3年後、社長を引き継ぐ準備で
本社に異動したら
今まで担当していた役割は
誰が引き継ぐのでしょうか。

引き継ぐ相手がおらず
社長になっても、
工場に入って夜遅くまで
仕事をしている後継者を
これまでも見てきました。

中小企業は人材が足りないから、
社長といえどもしょうがない。

と、いつまでも言っている
わけにはいきません。

社長には社長の仕事があります。

後継者が抜けた穴を
塞げる人材を育てなければ

後継者に社長を引き継ぐ
タイミングが遅れることも
あり得ます。

それは経営にとって
大きなリスクです。

後継者の抜けた穴に限らず
定年で空いたポストを
空席のままにしないために、

引き継ぐ経営幹部を育てる
ことは、

会社の規模の大小にかかわらず
取り組む必要がある課題だと
思っています。

この取り組む手順に、標準化された
ものがあるわけではないのですが、概ね、

1.組織のギャップとニーズを明確化する

2.主要ポジションを決定する
  新しいポジションが必要かどうか検討

3.主要ポジションのためのコンピテンシー
  (求められるスキルや知識、能力、行動)を特定する

4.候補者を特定し、評価する
   候補者の昇進を保証するものではないことを説明

5.育成計画を作成する
   長期的な取り組みとなります。

6.測定し、モニターし、報告し改訂する


会社の人材全体を
底上げする『人材育成』と

トップダウンで行う
『経営幹部育成』は、

目的は違いますが、
”時間がかかる”ことでは同じです。

優れた人材、いわゆる
ハイパフォーマーの行動特性
(コンピテンシーと呼ばれています)
のなかから選抜し、

それを誰が持っていそうかどうか
検討し、

例えば必要な条件3つのうち
2つまで持っていそうなら、

足りないひとつを
育てる時間が必要です。

最終的には、
「できるんじゃないか」
という”可能性”で判断することに
なりますが、

その可能性の確実性を
高めるために、

時間の確保が必要です。

この取り組みは、副次的に
優秀な社員の定着にも、
良い影響を与えます。

少なくとも『話し合う』ことを
始めるのに、早すぎることは
ないと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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「評価制度の作り方」6月14日・7月14日(zoom開催)同じ内容です

人を評価することと組織づくりは
成果を出すうえで、緊密な関係性が
あります。

”運用できる評価制度の作り方”を、
組織づくりの視点とゲームを通じて
お伝えします。
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