評価制度づくりは改革ですか、改善ですか

第789号

「これからは面談などの時間を確保して
評価制度を定着させていきましょう」

そう言う私に、

「これ以上、評価制度に時間はさけません」

評価制度の仮運用にも入り、
これからは運用して定着させる
という段階で、

社長からこう言われたことがあります。

ここまで、
役員で手分けして
全員に評価をフィードバックしたり
評価会議に参加したり

確かに大変そうでした。

これ以上、面談なんて、
無理というのが正直な
気持ちなんだと思います。

「業務はほかにもあるのに、
それに、面談なんて必要なんでしょうか」

この会社は100人程度の規模ですが、
役員が全員と面談するとなると、
難しいと考えても無理ありません。

でも、評価会議も面談も
いずれは、上司に任せて
オブザーバーになるはずです。

そういう想定で作ってきました。

「でもあと2年程度は
私たちがやらないと」

と社長たちは考えています。

今までのやり方の
延長線上で考えると、

それくらい引継ぎに
かかるのかもしれません。

これまで役員が評価
してきたやり方を

評価制度を作って
上司が評価を決定する
と変えたのは、

この会社のこれまでの
やり方の延長線上には
ないことを始める、
すなわち、改革です。

運用のやり方を変えるのに、
考え方は今のままでよい、
というのでは、
改革はうまくいきません。

あらためて、
改革を選択するのか
改善なのか

作る目的に照らして
選択する必要があります。

これまで、技術的なことは
上司が部下に指導してきましたが、

それ以外は、役員が直接現場に
足を運んだり勉強会で伝えてきました。

評価制度の設計では
部下指導、育成は、
上司が行います。

役員が上司を飛び越えて
育成指導することはありません。

「時間が取れないから
省いてもいいですか?」

と言って、

これから始める
評価のための会議や
フィードバックに
価値を見いだせなければ

これまで自社でやってきた
部下指導、育成のやり方の
精度を上げて、
効率をよくする

いわゆる『改善』を
選択することに
なります。

改善と改革
どちらが良い、悪いでなく、

改善のマインドでは
改革はできません。

評価制度がうまく
機能しない会社は、

運用段階でとん挫することが
多いものです。

制度設計と運用は別もの
と、分けてしまうことが
その一因です。

どうしても、
新たに作った制度を
これまでのやり方で
運用しようとすると

無理がでたり
時間がかかってしまう
ものです。

今取り組んでいることは、
やりたいことは、

「改革」なのか
「改善」なのか

目指すゴールは何なのか
どんな目的で制度を作るのか

そこは認識して、
しっかり”選んで”
取り組むことが大切です。

お読みいただき、ありがとうございました。

セミナーのご案内━━━━━━━□■

「評価制度の作り方」3月22日zoom開催
人を評価することと組織づくりは
成果を出すうえで、緊密な関係性が
あります。
(申込締切3月17日24時まで)

このブログを編集して、
メルマガを平日2回お届けしています。
ご希望の方は、 下記フォームよりご登録ください。

メルマガ申し込み
 

関連記事

コメントは利用できません。