会社の数字を開示する意味

第764号

12月に入りました。

ボーナスをすでに支給した会社も
これから支給です。という会社もある
ことでしょう。

私は賃金制度を作って仮運用中の
会社で

現行の支給法で決まったボーナス額と、
新しい制度で支給した場合の額の差が
出るか、それとも差が出ないか

12月はこのシミュレーションを
することが多いです。

「社員の方にも会社業績を
意識してもらいましょう。
そのために、会社の数字を
開示してはどうでしょうか」

こういう話をすると、

以前は拒否反応が多かったのですが、

今は
「うちは開示しています」
という会社が増えてきました。

でも、よく聞いてみると
見せてはいても、開示している
とは言えない場合もあります。

開示とは解き明かす、説明するという
意味が含まれます。

今日は、どうして開示が難しいのか、
そんなお話をしたいと思います。
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賃金制度づくりでは、賞与原資の
決め方を決めて、
社員説明会で伝えてもらうように
しています。

どういう算出式を定義するか?

これを決めていく段階で、

会社の数字を開示していますか?
ということも確認しています。

ある会社では

目標と毎月の数字の累積結果の
差異をグラフにして貼りだしています。

実際に見せてもらいました。

「だったら、会社の数字と賃金や
ボーナスが連動していることは
わかっておられるんですね」

と言うと、

「そうだといいんですが
なかなかそこまでは」

と、かえってきます。

先日も、どうしたら賃金が上がるのか
という、質問があったと言います。

会社の業績目標と実績の差を
グラフで見せて、

業績が目標を上回って
粗利が増えないと

賃金の原資は増えないことを
伝えていても

確かにそれは
わかったとしても
自分ごとにはなりません。

なかなか頭の中で
つながりません。

自分の賃金を基準にして
説明してもらわないと、

わかりにくいという
ことなんだと思います。

会社の数字を意識するのは
そのあとです。

まずは、どうしたら賃金が
あがるのか、を説明することです。

具体的には、

業績がどうなれば
これくらいの賞与比率になります。

業績がこれくらいのときは
各等級の昇給額はこれくらいに
なります。

というように、

あらかじめ
業績連動の処遇について
説明できるようにしておきたい
ものです。

ここまで説明したうえで、

増えることばかりでなく
業績が悪いときは
これくらいの賞与になります。

ということも、もちろん
伝えておきたいです。

事前に伝える、とか
ルールとして約束することに
躊躇する会社もあります。

評価、賃金制度をご依頼いただく
会社の大半が

「社員に賃金について説明できる
ようになりたい」

とおっしゃいます。

そんな会社でも制度を作って
いくなかで

そこまで明言しないとダメですか、
とおっしゃいます。

会社が躊躇するのは

自分自身が、腑に落ちて
いないからでもあると思います。

たとえば、私が
和仁達也さんからキャッシュフローコーチとして
学んだお金のブロックパズル

これを実際に書いてみたり

過去の売上、粗利、
営業利益、賞与原資を
書き出してみてもよいでしょう。

まずは自分自身が納得して
これならできる、と
実感できれば、

そこに信念がうまれて
伝えたいと思えるように
なるんだと思います。

会社の数字を”開示”する意味は、

伝えたいことを伝える

ということだと、
私は思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

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