難しい判断をして後悔しないために必要なこと

第746号

頭ではわかっているけれど
それはやりたくない。

経営者の方とお話していて
そんなふうに感じることが
時々あります。

これを「感情」と言ってしまうと
ちょっと反発や違和感ある方も
おられるかと思いますが、

つまり、合理的に考えれば
そちらを選択するのがよいと
わかっていても

あえて不合理行動※を
選んでしまうことがある
ということ。
※単純な経済合理性では説明できない行動

不合理行動には、そうする意味が
あるものです。

経営者に限ったわけではありませんが、
最終的には一人で判断しなければ
ならない経営者の方には特に、

人は難しい判断をするとき
行動経済学でいう
「後悔回避」の傾向があることを
知っておいていただいたうえで
「今回はどうするか」と
考えていただきたい。

今日はそんなお話です。
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人事異動について、
人事部と協議して3カ月後に
発令しようとしたところ

社長から待った、が
かかりました。

もう少し先に延ばせないか
というものです。

コロナ後をにらんで
新たな人事の布陣で
走り出そうというのは
社長の発案です。

そのためには、どうしても
事業本部のトップの異動が
必要だというものでした。

確かにいざ決断するとなると
そのプレッシャーは
並大抵ではありません。

異動する現事業本部の
トップは、

社長が入社したときに、
仕事を教えてもらった
古参社員です。

もちろん、悩む理由は
情だけではありません。

会社へのこれまでの
貢献と成果を考えれば、

果たして異動させて
うまくいくのか

という不安もあります。

判断に迷ったとき
3つの選択肢があります。

1.自分の判断で決める

2.他人の判断で決める

3.今は決めないということを決める

今回の場合も、

今回は異動を見送る、

先に延ばす

という、3の選択肢があります。

今は異動させないという
「判断」をしたのならよいですが、

これが、単に


「判断しない」

いつ、と期限を決めずに
「先送りする」

ということだと、

先送りという選択をした、と
言えないこともないですが、

少なくとも

楽な選択をした、

と言わざるを得ません。

楽を選び続ければ、
厳しい選択ができづらくなり、
自分自身の成長もありません。

2の選択の場合は

たとえば、

「人事部が言うから」
というように

決めた理由を他人の判断に
乗った場合です。

どういうときに
こういう選択をしてしまうので
しょうか。

自分の判断でうまくいかなかったら

これが、自分で判断することを
迷わせてしまう要因です。

確かに自分で判断して失敗したら
ダメージは大きいです。

このダメージができるだけ
小さい選択をすることが
行動経済学の「後悔回避」です。

うまくいかなかったら、とか

失敗したらどうしよう、とか

考えますが、

この”失敗したくない”

というのが、

直接の、自分で判断できない
要因ではないのです。

失敗したことすべてが
ダメージ受けるかというと
そんなことはありません。

やるだけやった、という
気持ちになるときもあります。

人は、失敗して『後悔』
することを避けたいのです。

後悔はダメージの原因です。

自分で判断するだけでなく
他人が判断したことで
結果として失敗に終わっても
後悔はあります。

でも自分で判断したときよりは
少ないでしょう。

そして、一番ダメージが
少ないのは、

何もしないことです。

人は、選択が難しい状況では
後悔しない選択をします。

でも、いつも2や3を
選択していては
成長はありませんし、

自分では判断している
つもりでも

それが習慣になると
常に、ダメージが少ない
楽な選択をする癖がついて
しまいます。

難しい状況でも
後悔せずに、
「自分の判断で決める」には、

自分の判断に自分自身が
「納得」できるかどうかが
重要です。

納得して選ぶことで
後悔はぐんと小さく
なります。

納得するには、
納得できる論理的事実や
検証が必要です。

しばしば
経営者から社外の専門家として
私が意見を求められるのは、

こうした論理を必要とされての
ことだと思います。

自分だけが選択できないわけでなく

誰でも人は、

「後悔回避」の傾向があります。

人の特性を理解したうえで、

さて、今回はどうするか?

そう、自分に聞いてみてください。

その結果、

あえて難しい選択を選ぶために
私が求められるのであれば、
そのために、全力で、
納得できる事実や気づきの
ヒントを提供できるように

常に、準備しておきたいと
思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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