「君がいないと会社は困る」は仕事の属人化の始まり

第747号

わかっていても、どうしても
人に仕事がついている、という
状況になりがちです。

目先だけを考えれば
それが得策に見えますが

少し先を見越して
事業の継続を考えれば

仕事の属人化を防ぐことが
生産性の向上の近道に違いありません。

属人化しないためには
どうすればよいでしょうか。

私はこんなふうに考えます。

私にも自分で自分の仕事を
属人化させてしまった経験があります。

「君がいないと、書類がどこにあるかわからない。」

こう言われて、
「認められているなぁ」と
会社で働いていた当時の私は、
思ったものです。

やりがいも正直感じました。

今なら冷静に、

この仕事で満足していては、
次の段階の難しい仕事に取り組めないなぁ、

とか

そもそも、書類の場所が
共有化されていないなんて、
組織としてどうなんだろう

今、私は、人事に関する仕事を
してるから、そう思えますが、

最近でも、お客様の会社の
評価決定会議で、

上司の部下への評価説明を
聞いていると

協調性やチームワークの
事例として

誰かが休んだら進んで
仕事をやってくれている。

仕事が集中しても
嫌な顔をせずにやってくれる。

このような、
ひとりの部下に対する
上司の発表がありました。

「君がいないと会社は困る」

あるいは、

「君がいてくれて助かる」は

時と場合によって、殺し文句です。

その言葉の意味のとおり

相手の気持ちを迷わせ
ひきつけます。

君がいなくてもできるように
なることが

本当の意味で、
会社が困らなくなるはずです。

ここを変えていかなければ

法律で有給休暇5日義務化を掲げても

男性の育児休業の取得率をあげるために
育児・介護休業法を改正(2022年4月)しても

めざましい取得率の向上は望めません。

何より、本来の目的の、
生産性の向上につながりません。

「君がいないと会社は困る」

こういうことを口にするとき
上司の方は

この社員さんに任せると
早いから、

とか、

安心だから

そういう理由が多いように
思います。

頼りにしていることには
違いありませんが、

そこに、この社員の強みを
活かすという視点があるか、

といえば

残念ながら、見えてきません。

むしろ、誰でもできるように
社員全体のレベルを引き上げる

という視点がこれからますます
必要だと思います。

組織の中に業務ごとに

できて当たり前のラインが
あるとしたら

そこまでは、誰でもできる
ように引き上げることです。

そして、
仕事が属人化することを
防ぐために、

マニュアルや取扱説明書の
作成が必要です。

作成には、当然、
これまで任せていた
社員の方に作成を依頼する
のだと思いますが、

過去の私を思い返してみると

いつの間にか

“君がいないと”という
言葉をかけてもらいたくて、

そこに存在意義を見出して

その仕事をやっていたように
思います。

その仕事がなくなる
ということは

「君がいないと。。。」

という言葉は、かけて
もらえなくなる

私がこの部署に存在する
意味はあると思ってもらえて
いるのだろうか、と

そんな不安が募って、

なかなか仕事を手放せない
ということもあります。

ですから、

仕事を抱え込まない
ようにするには

マニュアル等で、
仕事を標準化するのと
同時に

その仕事がなくても
あなたには価値がある
と、伝えてあげることが
大事です。

日常での、承認欲求を
満たすような声がけの
コミュニケーションが
重要だと思います。

有給の取得率を上げる

男性の育児休業の取得率を増やす

これらが取得できるルールを
社内で作っても

休むと迷惑をかける

代わりを頼めない

という人間関係が
阻んできたのも事実です。

これを解消するためにも

そもそもの、仕事の属人化の
解消は急務です。

ルールとコミュニケーション

これらを同時に取り組んで、

初めて、

会社は生産性を上げることが
できるのだと思います。

有給の取得率も

男性の育児休業も

義務化されたからという
受け身の理由でなく

全社が、真剣に取り組ま
なければならない理由が
そこにあります。

お読みいただき、ありがとうございました。

【10月19日無料セミナーのご案内】
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

シニア人材を活用できてる会社はここが違う!
高年齢者雇用で伸びる中小企業の共通点
~「働かないオジサン・オジサン予備軍」を作らない3つのポイント~

詳細はコチラ
https://saikyo-hatarakikata.com/seminar/639/

——————————————————————————–
このブログを編集して、
メルマガを平日2回お届けしています。
ご希望の方は、 下記フォームよりご登録ください。

メルマガ申し込み
 

関連記事

コメントは利用できません。