社長面談 悩みはあるけど悩んでいません。

第280号

普段は実務担当の方と話をしていても、
年に数回は社長とお会いして、
方向性の確認をします。

人や組織のご相談を受けることが多いのですが
正解は会社ごとに違います。

ですから、社長の経営方針は
都度都度、確認して知っておきたい情報です。

世間話をいくつかした後、

「お悩みごとはありますか?」と
申し上げると、

「悩みは思いつかないですね。
ないわけではないのですが、
これと言ってはないですね」

とおっしゃいます。

2代目とか後継社長に多いようです。
悩むことは未熟でも、恥ずかしいことでも
ありません。

今では顧問先のみなさんは
私が発する「お悩み事」という問いに
違和感感じられませんが、

最初は
「お悩み事?」と
語尾を上げて
少しイラつかれた方もいました。

社会保険労務士は
目の前の問題について解決する役割

顕在化していない課題や
顕在化している課題の
そもそもの原因を解決する役割
とは、思っておられなかったのです。

 

悩んで当然だから、
あらためて口にすることではないんだ。

という、わかったような
わからないような返答もありました。

でも、きっとこれが本音なんだと思います。

悩んでもどうにもならないから、

悩むことばかりだから、

あらためて悩まない。

という結論です。

つまり、悩みとは向き合っていない
ということです。

 

タスク管理でよく見る図に
【重要・緊急】のマトリクスがあります。

(1)重要   × 緊急    (第1領域)

(2)重要   × 緊急でない (第2領域)

(3)重要でない× 緊急    (第3領域)

(4)重要でない× 緊急でない  (第4領域)

(1)にまず着手しなければならないことはわかりますが、

その次に

(3)重要ではないけれど緊急度高いものに取り組んで、

日々(1)と(3)だけで終始していると

悩みはあるのだけれど、悩んでいません、
という状態になってしまいます。

 

和仁達也氏は、
重要だけど緊急性のない
第2領域に取り組む時間を
クオリティタイムだと呼びます。

 

まさに経営の本質部分である
緊急ではないけれど、
将来の備えともなる大事な時間
=クオリティタイムです。

ここの時間を多く取れるに越したことはありません。

ただ、ひとりでこの時間をとって、
経営課題と向き合うのは苦しいかもしれません。

そこで、例えば、
私が対話役を務め、
着眼点や考えの切り口を提示して、

経営者が一人で考えるよりも早く
納得できる解を見出すことができる
ようお手伝いさせていただいている
会社もあります。

コーチングとコンサルティングの間のような
ことをこの時間内でやっています。

 

どうぞ、大いに悩みましょう。

悩みから、やりたいことが見えてくるかもしれません。

悩んで収拾がつかなくなるのでは?
と思われる方もいますが、

それは、どのような価値観で経営していくのか

ビジョンはなにか、

これが定まっていれば、
迷い過ぎて迷宮入りということはありません。

まだ少し明確ではない、という場合は
ここの明確化から始めましょう。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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