人事制度と組織図の整合性

第279号

人事制度を作る機会は中小企業
の場合が多いのですが、
あくまで私見ですが、
社長に最初に社員を仕事ができる順番
に並べてもらい、

その後、
管理職、中堅職、一般職で
線引きしてもらうと、

多くの会社で
管理職に該当する人はいない
という声を聞きます。

厳密には、なんとか管理職と呼べる人もいるけれど
ほんの一握りだと言います。

ただ、制度設計上は、組織図で所属長と
されている社員については、概ね管理職に
位置付けることになります。

理由のひとつは、賃金が中堅とするには高くて、
本来の中堅と、金額に開きがありすぎるからです。

等級で言えば
本来は中堅職の最上級となる6等級が妥当でも、
管理職の初級の7等級に位置付けることもあります。

あるいは
本来の6等級に設定して、
もらい過ぎている賃金額分を
調整給として別表示することもあります。

 

どちらがよいかは、スタート時は
会社に決めてもらいますが、

制度スタート後は、
例えば、A評価を3回とれば昇格する
というような基準に添ってもらうことになります。

 

実は、なかなか基準が決めづらいのが職位です。

 

職位はそもそも対外的な格付けです。
等級は社内の格付けです。

職位と等級が一致していなくても
不思議はありません。

等級については、人事制度導入前は
意識していなかったわけですから、なおさらです。

極端に言えば、一般職の3等級で
店長(管理職の仕事)ということもあり得ます。

 

ただ、人事制度作成時に、
どうしても職位と等級をつなげて
考えたほうがわかりやすい会社もあって、

その場合は、そもそも
等級=職位 で作っています。

 

そうすると、組織が固まっていない会社の場合
組織図では所属長にはなっているけれど、

職位は部長ではなくて、課長だったり
部長代理だったりします。

本来は、人事制度の作成に入る前に
まず、ここのところを整理したいところです。

つまり、組織図を整理するところから始める
ということです。

 

組織図を整理するのは、そのほかにも理由があります。

だれが上司でだれが部下なのかを、
はっきりさせるためでもあります。

上司と部下がはっきりしないと、
評価面談(フィードバック)ができません。

人事制度を作る前は、明確に自分が上司だと
認識している上司は少ないものです。
ですから、上司がふたり指示を出している
という状態もあったりします。

春には異動や組織変更が多いですが、
まずは上司と部下(たてライン)
同じ職位が所属長に並び、
該当者がいなければそこは空欄にして
一段下に所属長に代わる人材が位置する

現状とリンクした組織図を作りましょう。

 

評価制度は作ったからと言って、
それだけでは組織は変わりませんが、
組織図を変えることで、命令系統や
ラインの整理はできます。

人事制度と組織図の整合性は
意識したいものです。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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