自立した組織の”働く人の幸福度”

第152号

チームビルディングの仲間のひとりが、次のような記事を
教えてくれました。

2017.12.30付けの記事より
https://www.sankeibiz.jp/smp/econome/news/171230/ecc1712301605001-s1.htm

米国最大の調査会社であるギャラップ社が
” 12の質問 Q12(キュー・トゥエルブ) ”
エンゲージメント(社員幸福度)
全世界1300万人のビジネスパーソンを
調査した結果が紹介されています。

日本企業はエンゲージメントの高い
「熱意あふれる社員」の割合が6%で、
米国の32%と比べて大幅に低く、
139か国中日本は132番目。
最下位レベルです。

12の質問(キュー・トゥエルブ)の内容は
上記webで紹介されています。

ここで言うエンゲージメント(社員幸福度)というのは、
与えられるものではなく、これからの時代に必要な、
自発的、主体的に掴みにいくものです。

日本の企業の社員は、幸福ではないことにも
気づいていないレベルなのかもしれません。

エンゲージメントを左右する大きな原因はマネジャー、
すなわち上司にあると、記事では書いています。

ギャラップ社が、特に業績に直結することとして、
マネジャーが注力するべき6つのポイントとしているのが
Q1~Q6です。

この6つの質問に部下がすべて5点をつけるのは
とても困難ということです。

でも裏を返せば、
Q1~Q6を意識して、
部下一人ひとりに深くコミットし、
仕事を褒め、成長の機会を与え、
指導するべきところは指導することができると、

マネジャーは、能力を鍛える絶好の機会になる

部下は、 5点をつけられるということは、
     自分はどんな貢献をしているのかを感じることができる

組織としては、上司やチームとの一体感が生まれている。ということになります。

さて、その6つの質問です。

Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている

Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている

Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている

Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした

Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ

Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる

読んでいて、これって、評価制度を作るときの
仕組みと似通っているなと感じます。

行動目標を設定して、それを評価する
人事制度を導入している会社であれば、
上記の6つの質問のいくつかは、
制度設計や運用でやっていることと
通じる視点があるはずです。

 

私が使う評価シートは

  • 成果目標
  • 行動評価
  • 能力評価
  • 執務態度(姿勢)

という項目から作っています。

評価制度は以下のように太字を意識して作っています。
それとQ1~Q6がどう対応しているか。

成果目標を達成するために
 ←(Q1)何を期待しているのか

重要な行動、業務が何かを教わって
それができたかどうかで評価される(行動評価)
←(Q2)仕事をうまくおこなうための必要な道具や材料を与える

やり方はそれぞれが自分の特性を活かして
行動している(能力評価)
←(Q3)得意なことをする機会を与える

上司は、部下の行動観察をして日々フィードバック(承認)
←(Q4)7日間でよい仕事をしたと認めたり褒める

フィードバックの中で求められればアドバイスをする
 ←(Q6)職場の誰かが自分の成長を促してくれる

そして最後に

個人の成長を土台にして、チームとして成果を出す為に、
大切な視点が人と人は違う、強みを活かし、
弱みを補完するという(チームビルディング的
関わり方が必要です。ここまでが評価制度の運用の流れです。
←(Q5)ひとりの人間として気にかけてくれている

評価制度の仕組みとQ1~Q6の項目は、
ちょっと無理やりに見えるかもしれませんが、
確かに通じるものがあります。

評価制度は処遇を決定するためにあるのではありません。
それは副次的効果に過ぎません。

評価制度をしっかり運用できれば、
別途、研修の時間をとったりしなくても、
上司も部下も育つことができます。

上司がマネジャーとしての能力を鍛えられていない
部下は自分はどんな貢献をしているのかを気づけていないなら

それは、自社の評価制度が使いこなせていないせいかもしれません。

まだ制度がない会社は、
是非Q12(キュー・トゥエルブ)を意識して作成してみるのも、
目指す方向が明確になる手助けになるでしょう。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性を
デザインする鈴木早苗でした。

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