組織における”リーダーの役割”

第147号

ふとつけたテレビでやっていたのが「きかんしゃトーマス」

最初に見たのがもう30年近く前ですが、
古びた感じがありません。

ひらけポンキッキのなかで放送されていたころも、
すでに大人でしたが、当時から幼児だけでなく
十分楽しめる内容でした。

何度か再放送されて放送局も変わりながらも、
今も見ることができる息の長いアニメです。

たまたま見た、今日の内容は
「ライアンとデイジー」です。

NHKのあらすじから内容を伝えると

同じ支線で働くライアンとデイジー。ある朝、寝坊でデイジーがいないときに、ライアンはデイジーへの伝言と仕事を代わりに引き受けるが、デイジーにそそのかされ、そのままデイジーの分の仕事までやることになってしまう。

もう少し説明すると

ライアンはデイジーが言った、
「役に立つ機関車になれるわよ」
という言葉に素直に従って、
新しい仕事はしたくないデイジーの分まで
仕事をひとりでこなしますが、失敗つづきです。

そもそも、デイジーにも新しい仕事をさせたいと思って、
ライアンに新しい仕事をするよう伝言をたのんだ
ハット卿(鉄道の局長)は、
そんな様子にデイジーに注意しますが、
「ライアンが手伝うっていったんです」という始末。

ハット卿は、
「友達を助けるのは良い事だ、ライアン。
だが、周りに助けてもらうのも大切だぞ。」
と声をかけます。

最後は、デイジーが
「自分はいい友達じゃなかった」とライアンに謝って、
翌朝はライアンの追加分の仕事も
デイジーがすることになりました。

ライアンが
「君はいい友達だよデイジー!」と言って送り出し、
デイジーは
「あなたも、とてもいい友達よ」と呟くところで
終わっています。

もともとこのお話は、イギリスの牧師とその息子が書いた
絵本が題材なので、幼児教育の意味合いは強いのでしょうが、
子供の世界だけでなく、現代の大人の世界にも
置き換えられます。

新しい仕事を覚えてもらって、
より成長してもらおうとしても、
なかなかそれを受け入れられない
(変われない)社員はどこにもいます。

ハット卿は忙しいといって伝言をライアンに頼まず、
自分で伝えていれば、デイジーも仕事を好ききらいで
ライアンに押し付けず、やってみたかもしれません。

役に立つ機関車になりたい一心で、
ライアンはデイジーの分の仕事までやろうとしますが、

そもそも石切り場から石を出す仕事と郵便の仕事を
両立できず、焦って周りに迷惑をかけてしまいます。

回りに迷惑をかけていないとしても、
デイジーの仕事まで2人分の仕事をやったライアンは、
ハット卿から評価されるでしょうか。

ハット卿はデイジーに、その仕事はしてもらいたい
と思っているので、ライアンにはむしろ説得して
デイジーにやらせてほしいと思うことはあっても、
ライアンを評価することはないでしょう。

デイジーが寝坊したときに、ライアンが代役を務めているので、
そこで、ねぎらいの言葉をハット卿がかけていたとすれば
(アニメではそこまでなかったかと)
残業してまでやろうとしても不思議ではないですね。
役に立つ機関車になりたい一心、というのもうなづけます。

最後に、

「友達を助けるのは良い事だ、ライアン。
だが、周りに助けてもらうのも大切だぞ。」と
ハット卿は諭していますが、
それは、最初に言っておいてあげてほしかったですね。

このお話が本来言いたいことは、
————————————————————————-
“仕事をより好みするちょっと自分勝手なデイジーと
お人よしのライアン”

助け合うのは同じチームとして大事だけれど、
大変なときは、自分でなんでもやらずに、
周りに助けてもらいなさい。
それがチームとして遠慮なくよい関係性が
築けていることです。
————————————————————————-
ということなのでしょうが、

上司のハット卿が、ちゃんとわかるように説明していれば、
現場が混乱することはなかったという、
それだけのお話なのではないかなと思うのです。

自分で考えて動いてほしい、というのはよく聞きますが、
最初は、こういうときはこうする、と、
上司が伝えておいてあげないと
急に言われて動ける人は少ないはずです。

『何のためにそれをするのか』という目的意識が明確となり、

そのために何をしたらいいのかという目標意識

どういう役割を果たせばいいのかという役割意識

ここがわからないと、チームがひとつになって
取り組むことはできません。

うまくチームを動かそうと思うと、
上司がそれに気づいて伝えることこそ
チームの ” リーダーとしての役割 ” です。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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