人事制度の設計 やると決めるのは社長

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗です

第049号

人事制度を作る支援をさせていただくと、
どうしても決めるのは私(コンサルタント)
という状況になってしまいそうになります。

私は、社長がこうなってほしい理想の社員像
があったとしても、現実に今いる社員の優秀さを、
評価対象として、言語化して体系化することを
お奨めしています。

理想の形でなく、現実のなかの優秀さを
可視化することを推奨するのは、
誰も社内で理想の形を指導することが
できないからです。

こうなってほしいと思っても、
こうやれば成る、
と伝えられなければ、
項目には入れられません。

この考え方は、私が日頃支援する
中小企業までに通用する考え方かもしれませんが。

この考え方にご納得いただいて
いざ作り出す場合
評価の元ネタは、
すべては社長の頭の中にあります。
それを取り出して仕組みにします。

社長の頭に中にあるものですから、
社長しか言語化できないわけです。
ここで、通訳として私の存在があります。

「こんな感じなんだけど。。。」という説明を聞いて、
私が、
「こういう文言で置き換えて大丈夫ですか?」
と文字にして見せて、
一緒に社長の感覚に合う言い方に変えていきます。

「受け止めると受け入れるでは、どちらが適切な表現ですか?」
と聞いて、選んでもらったりもします。

あるいは、
賞与のこれまでの支給額を使って、
その金額をポイント化して、
支給基準を作る時も、

「優秀な人に○○円、普通の人には●●円出していたな~」
という社長の言葉に

「じゃあ、出来ていない人には
これくらいの差をつけて支払うイメージですか?」
と、金額を書き出してみて、

優秀な人と普通の人、出来ていない人の
金額の差はどれくらいかを決めて、
賞与支給ポイントを決めていきます。

その都度
「これでイメージに近いですか?近づいていますか?」
と確認をしながら進めていきます。

6か月で人事制度を作りますが、
終わりごろに評価シートの文言が
変わることも珍しくありません。

すべては社長が納得できなければ、
運用できませんから、
納得感を大切にしています。

「いつも社員には言ってるから、
評価項目に入れてもいいんじゃないか
と思うけど、どうでしょう?」
という質問も受けます。

というか、制度設計のイメージをつかむと、
社長は、これもあれも項目にいれてと、
やってほしいことを、たくさん挙げていかれます。

人事制度、使えるかも、って
思っていただけてるからこそなので、
その点は尊重したいのですが、
一足飛びに社員が成長するわけではありません。

「それって、どうやればできるようになるか、教えられますか?」
とおたずねして、少し暴走気味な社長の速度を
落とすように持っていったりします。

背中を押したり、
速度を緩めるように促したりが
私(コンサルタント)の仕事です。

人事制度は、効果がでるのに
3年程度はかかると考えて間違いないでしょう。
効果とは、再現性のある継続した効果という意味です。

人事制度を作る時に、
「これは社長の考えていることと合っていますか、いませんか?」
という私の問いに答えて、選択して
決めていただくことも大事な「決めること」ですが、

本当に一番大事な社長が決めることとは、
人事制度を作るという決断を自らするということです。

コンサルタントが奨めたのが最初であっても
やると決めたのは社長であるということ。

数か月で効果が出る仕組みではないので、
最初の段階で、ふわっとスタートしてしまうと、
目的がブレてしまい、
作ることが目的になってしまいます。

人事制度を作ると決めることを決めるとでも言いましょうか。

ここをしっかり確認してから作成に入ることが
運用できる人事制度の第一歩です。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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