評価制度は正解より最適解

第983号

「評価には正解がないから難しい」

これは評価制度を昨年導入した
会社で先日聞いた感想です。

評価決定会議に慣れない頃は、
大抵、みなさん、

「どういうふうに評価点数を
つければよいかわからない」

という、戸惑いを口にされます。

それって、正解があると
思っているからだと思うん
ですが、

評価に正解はないです。
あるのは、納得です。
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いら立ちながら
「正解は何ですか」と、
おっしゃる方もいます。

正解かどうかと言えば
そもそも人によって評価は
違うものですから
人の数だけ正解はあります。

ですから、正解とか
正しさを追及しすぎると
出口のない迷路に迷いこむ
ことになりそうです。

評価制度を作るとき
お伝えするのは、

制度がなかったときは
社長の頭の中にある答え
をもとに、評価してきたの
だから

社長の定義するものを
いったん「求めるもの(≒正解)」
として位置付けて、

頭の中にあるものを言語化
する、

という考え方です。

そこに社員が納得すれば
その考えで評価することは
アリ、だと思っています。

ただ、

その社長の頭の中にある
判断基準に今現在、不信感が
あるというようなときは、

根本的な解決策は
不信を拭い去って
信頼関係を作ることが
先決ですが、

評価制度自体でなんとか
しようとすると、

人の評価でブレない「事実」
を対象にしようと、考えたり
します。

いわゆる「定量評価」です。

それ自体は悪いことではあり
ませんが、

事実=結果と考えて
結果を評価のすべてに
適用しようとすると

一昔前の成果主義になって
しまいます。

相性が良いものとしては、
業績連動賞与だったり、
評価シートの1項目(目標設定)
で使うときです。

これは営業に限らず
管理部門も技術も製造も、
同様です。

成果を出すための行動や
仕事に求められる能力
といったものついて評価
するときは、

むしろ数字化せず「定性評価」
の相性が良いです。

評価制度のある会社では
ごく普通にやっておられる
ことだと思います。

それでも、上手く使いこなせて
いないとすれば、

正解がないから使いづらい
のではなく、

知らず知らずのうちに
正解を求めてしまっている
ことが
ちょっと違うんだと思います。

評価に“絶対”という正解は
ありませんが、

確かなものがあるとすれば
それは、自分達で正解と決める
ことで、

それは正解というよりは
むしろ最適解を求めることです。

最適解はいわゆる100%の正しさ
とは違います。

答えを自分達で決めるから
納得できるでしょ、

みんなが納得できれば
それが自社の正解、ということです。

答えは自分たちの中にしか
ありません。

そのためにも
「どういうふうに評価点数を
つければよいかわからない」

という受け身の考えから

「どういうふうに評価点数を
つければよいか自分達で決める」

と主体的に考えを転換すること
が出来るかどうかが大切です。

評価対象者に納得してもらう
ために、まずは伝える側が納得
しなければ、伝えられません。

正解でなく
最適解をみつけるために

みんなで答えを導きだすことが
評価決定会議の主旨でもあります。

それぞれの社員の評価決定は
その”結果”として存在します。

最適解を導き出すには
事例(ノウハウ)の積み重ねで
ブラッシュアップされていき

評価決定会議の所要時間も
徐々に減っていきます。

ただ、そこにいたるには時間が
かかります。

評価制度が定着するには3年は
かかる、と言われる所以がそこに
あります。

お読みいただきありがとうございました。
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