ToBeがあってToDoがある

第936号

人事評価制度を作りたいという
会社からご相談があれば、
まず訪問してヒアリングします。

あっ、これは就業規則も同じです。

どうして作りたいのですか、と
お聞きすると、

ある会社では、
人事評価制度を作って
離職率を下げたい、という
答えが返ってきました。

私は、そこから、いつも
もう一段掘り下げて
「作って将来どうなりたいですか」
とお聞きします。

ちょっと考えてから
離職率を下げたいです。

と、あらためて答えて
くださることもあります。

何か始めるとき
ToDo(やるべきこと、タスク)と
ToBe(ありたい姿、達成したいこと)

2つに分けて考えなければ
ならないことがあります。

”やるべきこと”だけでスタート
しても、それだけでは長続きしない
ものです。

最初はToDoを言っておられても
それをToBeに転じてから
スタートしていただくことが、
何かを始めるときには大切だと
思っています。
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よくある例として
年頭の決意で
『5キロダイエットするぞ』

これはToDoです。

決意したのに、とん挫してしまう
のは意思が弱いとかいう前に
ダイエットしてどうなりたいか

その先のありたい姿=ToBeが
明確になっていないからです。

人が自ら動くのは、
義務感ではありません。

「こうあるべきだ」という
思いだけで動ける人もいますが、

ずっと義務感だけで続けていくのは
難しいものがあります。

能動的とは言えない
からです。

よく混同されるものに
『使命感』があります。

義務感との違いは、
使命感は誰かに強制された
ものでなく、自分の内なる
価値観に従ったものです。

あくまで『能動的』です。

人事評価制度に戻して考えれば
人事評価制度がまずあるのではなく

こうありたい、という
組織のイメージがまず最初に
あると思うのです。

ですから、評価シートの
項目選んだり

今の処遇と賃金制度を
どう合わせるかで悩む時、

正解は
「こうありたい」の中にしか、
ありません。

やるべきか、どうするか
悩んだとき、

ToBeが
行動の判断材料となり、
拠りどころとなります。

ですから順番は、
ToBe があって ToDoがあるんだ
と思っています。

評価シートに記載する
項目はまさにToDoです。

作って3年程度たてば、
見直しの必要性がでてきます。

つい、評価者の意見や
被評価者の意見、不満に傾き
すぎて、部署ごとの評価シートの
難易度等のバランスが崩れたり
することがあります。

賃金も、形骸化した手当を
なくしてスタートしたのに

気が付けば、採用に有利な
ように手当を付けたり
生活に配慮する手当をつけたり
することも少なくありません。

やむにやまれず、というのは
よくわかりますが
それでも、そういうときは
ToBeに立ち戻ることが
大切です。

ToBeが明確でなくても
人事評価制度やルールを
作ることはできます。

それでも、ToBeが明確だと、

・今やろうとしているToDoはブレていないか
・ToBeの実現に貢献することか

こういった判断の軸にする
ことができます。

会社や経営者だけでは
ありません。

社員一人一人にも
仕事を通じてどういう人になりたいか
→ToBe 

仕事を通じて何をやりたいか
→ToDo

ToBeやToDoがあります。

社員が早期で退職して
しまうのは、

辞めていくときは
どうしてもToDoに
目が向いてしまい、

あれもやらせてもらえない
これもできない

と失望してしまい

「この会社ではやりたいことが
できません」

と言って辞めていくことも
耳にします。

それでも、自分のToBeを
見つめなおし、

会社が掲げるToBeのなかに、
自分が目指す姿と共有できる
部分があれば、

勝手に失望することは
なくなると思います。

やるべきことのその先に
何を達成したいのか。

5年、10年先でなくても
よいので

まずは1年、3年程度から
少し先のことを考えて
”言語化”してみる
ことからだと思います。

私は、会社の方が
「やりたいんです」
「作りたいんですよね」
「やったほうがいいと思うんですよね」

とおっしゃる段階では、
まだスタートできないなぁって
思っています。

「やりたい」を「こうありたい」
に変わっていただくお手伝いも
ルール作りの私の仕事の一環です。

お読みいただきありがとうございました。
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人事評価制度の作り方 10月16日(月)
失敗しない運用のためのヒントがあります。

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