上司になれば部下を成長させられるわけではない

第889号

先日、企業のパワハラ研修の感想で

「上司は部下を選べるけれど、
部下は上司を選べない」

という発言がありました。

選べる選べないで言えば、上司も
部下を選べないと、私は思うのですが、

部下から見れば、閉塞感が、
そんなことを言わせてしまって
いるのかなぁと思います。

この春入社した新入社員も
希望と不安を抱えていると
思います。

1年以内に辞めてしまうような
ことは避けたいものです。

そのためには、この会社で自分は
成長できると思ってもらえることが
重要だと思います。

それって、上司の役割ですね。
———————————————

確かに、部下の成長は
上司の役割だとは
思うのですが、

忘れてならないのは、
上司もそのほとんどが
上司の立場になって初めて
部下指導、育成にあたる
ということです。

以前から、同僚に仕事のやり方を
教えていたとしても
教えることと、成長させることは
同じではありません。

日本の場合、評価制度と言えば
『職能資格制度』の導入が多いと
思います。

能力があると見込んで、
まだ実力を発揮できていない
(できるかどうかわからない)
状態で昇格させます。

ですから、会社は本来なら、
部下をすぐに成長させられない
からといって、

上司に能力がないからだ、と
誤解しないから、

安心して部下を成長させられる
ようになってください。

と、最初に説明しておく必要が
あります。

勿論、求めているのは
部下が成長して成果を
挙げてもらうことです。

最近、部下が成長するように
なるまで、上司に与えられた
時間の猶予が、非常に短く
なってきました。

会社が、成果が出るのを待てる
余裕がなくなってきたとも言えます。

そして、それは、
上司にプレッシャーとなって、
メンタル不調やパワハラの要因
にもなっていると思います。

そもそも人の成長には時間が
かかるものです。

そこには上司も含まれます。

わかったうえで、それでも
成長しながら、一定の成果を
部下に出してもらうためには、
仕組みを作る必要があると思います。

そこで、今、言われているのが
1on1ミーティングです。

私は、中小企業にとっては
コミュニケーションツールに
とどまらず、

しっかりモチベーションを
上げて業績向上させるためには
必須のものだと思っています。

具体的には、

・現状困っていることの解消
(目標の進捗、達成について等)

・これからの自分のキャリアプランに
ついての不安の解消や個人の目標

この2点について話をすることを
押さえておきたいものです。

これらをテーマにすることで

・この会社で成長できるかどうか
・どういう未来が描けるのか

これらがイメージできれば、
モチベーションも上がるというものです。

1on1ですから、1対1が
基本ですが、

なかなか1対1の面談が
難しいなら、「課」単位で
行うことでもよいと思います。

ミーティングのなかで、
一人ひとりに向かって
質問することで、
向き合うことは可能だと
思っています。

重要なことは、
いつ行うのかを決めて
ルーティン(日課)に
することです。

そして、
ちょっとコミュニケーションが
足りないなぁと感じたら
個別に1対1で面談を実施します。

部下の違和感や兆候に
上司が気づけるのも
日課になっているからです。

こうしたマネジメントを
実現するためにも

いかに1on1の時間を特別な
ものでなく、

スケジュールに落とし込まれた
日常的なものにすることだと思います。

それは新入社員にとっては、
あらかじめ相談する場や
タイミングが

”ルール”として明確になっている

ということであり、

そういう”ルール”があること自体が、
大きな安心感になると思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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