自律的な働き方に移行する段階に必要なこと

第873号

自律的な働き方に移行するためには、
境界線の明確化と方向付けが必要

この言葉は、書籍
「社員の力で最高のチームをつくる」

の中にでてくる言葉です。

枠組みとか境界線というと、
自律とは相反する表現のようですが、

この書籍が実現しようとする
『エンパワーメント』な組織では

最初から何の制約もないなかで
うまくいくものではなく、

一定の制約条件下にあるほうが、
安心して能力を発揮しやすいと
考えています。
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この書籍でいうエンパワーメントとは、
“社員がもっているパワーを解き放ち、
それを会社の課題や成果を達成する
ために発揮させること“
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組織を自律したものに移行させる
ためには、段階があって、

まずはルールや枠組み、
そして、仕事のやり方ではなく
仕事の管理(マネジメント)の
仕方を教えて、

ビジョンに基づいた方向付けをすることが
必要だと、書籍のなかで言っています。
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一般的に考えれば、
枠組みや境界線を引くことで、
行動にしばりをかけ、考えを制限し、
リスクを取らせないためにあるもの、

と思われている意味あいを

むしろ自由に行動するために、
あえて制約を設けているという意味に、
この本では変換させて使っています。



では、自律した働き方を促進するために
行う境界線の明確化とは、いったい
どういうことをするのかというと

1. 目的……われわれの事業は何か?

2.価値観……事業を進めるにあたっての指針は何か?

3.イメージ……どんな将来像を思い描くのか?

4.目標……何を、いつ、どこで、どう達成するのか?

5.役割……だれが何をするのか?

6.組織の構造とシステム……仕事をどう位置づけ、どう支えるのか?

これらを一度にすべてでなくてよいので、
必要が生じたら、その都度決めていきます。

1~3については、
ビジョンと関連があることがわかります。

やはり、組織づくりにはビジョンの
明確化は外せません。

5の 役割……だれが何をするのか、

というのは、組織づくりでは
これが決まっていないと
組織が混乱する原因になります。

普段の仕事でも、

例えば、新任管理職に仕事を
任せるとき

権限をただ広げるのでなく、
むしろ最初は

任せる部下の数を例にとると、

現状の10人から5人程度に
減らして、

裁量できる範囲をあえて狭めた
なかで、実力をつけていけるように、

真の管理職になるまでは、
一定のレベルの力を発揮
できるよう支援するやり方が
上手な「仕事の任せ方」だと
思います。

この任せ方と考え方は同じだと
思います。

組織も人も、一夜にして自律する
わけではない。

ということなんだと思います。

徐々に、支援と委任によって
成長していくものだという
ことがわかります。

大企業に比べて、中小企業の
組織づくりが難しいのは、

この書籍で言うところの
自律的な働き方に移行する際に
仕事の管理の仕方を教えられるかどうか、
です。

管理の仕方、つまり「仕組み」が
あるかどうか、です。

仕事のやり方は教えられても
管理の仕方はノウハウがない
ことが多いものです。

それは、業務に必要がなかったし、
教えられてこなかったからです。

書籍のなかで、
『チームスキル』として紹介
されているのが、

・問題解決の方法

・会議の進め方

・チーム運営

・対立解消

組織づくりを成功させるには

1.全員で情報を共有する
2.自律的な働き方を促進する
3.セルフマネジメント・チームを根づかせる

という3つの鍵だと紹介されて
いるのですが、

もっとも難しい2の成功のために
チームスキルを身に付けることが
重要になります。

身に付けるためには
研修が必須だと
書籍では言っていますが

これを必須と位置付けて
学んだことを継続できるかどうか、が
肝になります。

中小企業にとっては、
組織づくりのための
最初の仕組みづくりかも
しれません。

社員の力で最高のチームを
つくるとは、
簡単ではありませんが、

経営者が変わり
組織の枠組み、在り様が変わり
社員が各々、チームスキルを
高めることなんだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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