人的資本を活かして戦略人事を実践する

第864号

今年も残すところ、10日をきりました。

振り返るにはまだ早いかもしれませんが、
4月から毎月人事評価制度の作り方という
セミナーを開催してきて、
https://www.suzukey-stone.com/service/seminer/
年内開催も終了したこのタイミングで、

普段セミナーではお伝えしていることや
ここ数年、ジョブ型やリモートワーク等
人事の景色が変わってきたと感じていて、

個人的に「人事」について思うことを、
まとめさせていただこうと思いました。

ジョブ型かメンバーシップ型か、という
ことよりも、大切なことがあると思います。
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ワールドカップではメッシやエンバペ
というハイレベルな選手のプレーに
感動し驚かされました。

1位から3位までをみると、すべてに
絶対的エースがいて、

やっぱり個の力を上げる、そして、
エースを育てなければ勝てないのだろうか、
と思ったりもします。

ですが、アルゼンチンが勝てたのは、
メッシを活かし活かされるという、
これまでとは少し違ったメッシの起用
方法(システム)が優勝を呼び込んだんだ
と思います。

個の力とシステムが融合した結果だと
思っています。

組織は、ビジョンを実現するために
戦略をたてます。

その戦略のもとに
人を育てながら、組織も育てるという

両輪を回す視点が、他社と伍して戦う
ためには、経営者や人事部に求められ
ていると思います。

この、経営戦略に紐づけして
人事を行うことを『戦略人事』
と呼びます。

これって当たり前のようですが、
現実には、なかなか人事と
経営戦略が紐づいていません。

そもそもビジョンが言語化されて
いなかったりします。

言語化しなければあいまいなままで、
あいまいなままでは客観視できない
ので、

経営者としても、真の腹落ちが
できないことは社内に伝えられ
ません。

紐づけするためには、
ビジョンやビジョンを数値化した
目標設定を人事の戦略(※)としても、
共有することが重要です。
 ※採用や人材の育成人の配置等を想定しています。

最近、『人的資本経営』という言葉が
首相や経済産業省を中心にして、
言われ出してきました。

人そのものを資本と考えるというより、
人が保有する資本、

即ち、

スキル・知識・経験を、いかに経営に
活かすか、

ということなんだと理解しています。

この人的資本経営の考え方からすると、
「人を育てる」というのは、
人それぞれが持っている能力、
あるいは強みを引き出すことと
言えます。

この考え方は
何度かお伝えしている組織の成果を
出すための3原則

人材力×組織力×関係力
人材力の考え方と同じです。

”人の成長”と、普段私たちは
ひとくくりで言ってしまって
いますが、

人材開発的には、
人の強みを活かすこと
というのが、成長の前提として
あります。

私は、人的資本を活かして、
経営戦略に紐づいた人事を実践
していくことが、

これからの人事部に求められる
役割なんだと考えています。

こうして考えてみると、今更ですが
人事評価制度は仕組みですから
経営戦略を実現する戦術のひとつ
でしかありません。

4月から毎月『人事評価制度の作り方』
というセミナーを続けてきて、
そのなかでもお伝えしているのですが、

人事評価制度という仕組みが人を
成長させるわけではありません。

人事評価制度が人事の戦略の
対策(打ち手)の一番手とは
限りません。

もともとが、処遇を決めることが
人事評価制度の目的だったため、

頭では社員が成長して、その結果、
業績が向上することを制度の目的と
掲げても、

なかなか実際にやっていることが
切り替わりません。

つい、処遇が決まれば、無意識に
仕事を成し遂げた気持ちになって
しまいます。

勿論、処遇を決めることは大切な
ことですが、

成長の先に処遇の決定はあるもの
です。

本来の目的を仕組みに落とし込む
ために

運用時の面談や管理職研修を
あらかじめスケジュール化して
意識的に

”評価する”から、
”能力を引き出す”へ

頭を切り替えることです。

ここを習慣になる前に、すべて
所属長に任せすぎると、

人事評価制度は処遇を決めるだけの
道具になってしまいます。

経営者や人事部だけでなく
日常の面談(対話)が大切だと
考えれば、

管理職のマネジメント力が
人事に大きく影響します。

実際の現場で人事を実践する
管理職の方の意識が

評価するのではなく、
いかに能力を引き出せるか
というように変わっていって、

部下の人的資本(強み)を引き出す、
となることが、

これからの管理職の役割の
当たり前になるのだと私は
思っています。

実際、そういうことを感じている企業が
どんな能力があって、強みがあって、
ということをみつけるために、

タレントマネジメントシステムを
利用して、必要な場所に必要な
人材を配置したり(適所適材)、

私も使っていますが、
『ソコアゲ』(課題解決診断ツール)
https://sokoage.net/

人材と組織力、あるいは関係力の
”どこから手をつけていけば”

合理的に自社の組織を変えられるのかを、
組織診断で組織の弱点や傾向を
浮き彫りにして対策を講じようと
しているのだと思います。

そして、この対策や対策(打ち手)
の順番を整理し、変更し、実践する
支援が私の仕事です。

お読みいただき、ありがとうございました。
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人事評価制度の作り方 2023年1月17日(火)

効き脳診断オンラインセッション
https://www.suzukey-stone.com/2020/12/17/20201217/

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