やる気もエンゲージメントもそれだけ見ていてはUPしない

第811号

週末NHKの夜9時のニュースの特集が
「従業員の『やる気』が会社の業績を左右する」

やっと今ごろ、こんなことを、と
日頃、組織づくりに取り組む私などは
思ってしまいますが、

今、「やる気」は企業が開示すべき
経営情報となり、

投資家が「やる気」の度合いで
投資先を選ぶ時代に入ろうとしている
というのです。

この特集ではやる気を数値化するため、
「エンゲージメント」を指標にした
診断ツールを取り上げていました。

短い時間の特集で、
丁寧に説明するのは難しい
のだろうなぁと思いつつも、

コミュニケーションを増やして
相手を知れば職場の雰囲気が変わり
やる気が出る、

やっぱり、コミュニケーションだ、

と、それだけが頭に残ってしまうなら、
「もったいないなぁ」と思いました。

それほど単純なものでは
ありません。

特集を見て、

じゃあ、紹介されていた事例の
仕組みだけを取り入れても

それだけでは
エンゲージメントはUPしません。

部分最適では成果は見込めません。
——————————————–

何か問題があると、あるいは
もっと良くしようと思うときでも、

1つのことに取り組んで
対応しようとしがちですが、

それでは解決しません。

ルービックキューブを揃えようと
思ったら

1面だけに集中していては
揃わないのと同じです。

見えていない面も意識
しながらでないと揃いません。

たとえば、
「やる気」ってどういうときに
湧いてくるかと考えれば

行動するうちに、
なんだか出来そう、とか、

わかってきたとか

成功のイメージが出てきたときに
湧いてくるものだと思います。

つまり「行動」です。

とにかくまず15分やってみる。

というような言葉があるように

まずは動いてみるうちに、
だんだんとやる気が湧いてくる
というものです。

とにかくやってみようという
その行動を促すのが

「モチベーション」であり
「エンゲージメント」です。

ですから、やる気の数値化を
エンゲージメントに置き換えるのは
間違いではありません。

どうしても数値化されると
そこに引っ張られますが、

業績を上げるためには
エンゲージメントだけを
意識するだけでは、
十分ではありません。

NHKの特集では
このエンゲージメントを指標化した
ツールを導入している
ガソリンスタンドの店舗を
取り上げています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220603/k10013655861000.html

職場の雰囲気が変わった結果、
従業員からは自発的に
職場を改善する提案が相次ぐ
ようになったといいます。

提案するという「行動」です。

そこには、
朝礼で、「Good&New」について
出来事を話すという仕組みが
取り入れられています。

同じテーマで話すことで
お互いの考え方の違いや
個性を知ったり、
違いをわかったうえで

店長がこれまでの指示を出す
やり方から

部下の強みを活かした
仕事の任せかたをするようになると、

強みを発揮できる仕事は
自信になり、

おのずと「モチベーション」
上がるという具合です。

「Good&New」や
仕事の進め方の変化という
仕組みは

コミュニケーションという
関係性の強化にもつながります。

「エンゲージメント」とは
いろいろな切り口で定義が
説明されていますが、
———————————————————
会社と従業員が一方的な働きかけ
をする関係ではなく、双方向であり、
ともに同じ方向に向かって
一緒に成長していく「関係性」の
ことです。
———————————————————–

ガソリンスタンドでは、
共有ノートを作って

顧客への対応で必要なことを
確実に引き継いだり、

繰り返しを避けることに
つなげていきました。

車の調子が悪い人には
中古車の購入を促す
取り組みも始めました。

これらは、
“共有ノート”を書くという
仕組みの導入と
それによる関係性の強化です。

その結果
中古車の販売台数の増加や
経常利益が増加した、
ということですから

目指す目標設定も
共有されていることが
うかがえます。

ともに同じ方向に向かって
一緒に成長していく

つまりこれは、
エンゲージメントです。

エンゲージメントの
スコアがUPすれば、

業績もUPすることが
事例で証明されている
というわけです。

ただ、この2つの間には
複数の要素が存在し

つながっている結果が

業績のUPにつながって
いることを、
ここまで見てきました。

やる気を向上させて
業績を上げるためには、

やる気が湧いてくる行動を
引き出すために

モチベーションをあげて

いろいろな取り組み(仕組み)を使って

コミュニケーションをよくする
(=エンゲージメントが上がる)。

というように、

どれかひとつではなく、
それぞれをつないでいって
回し続ける

全体最適という意識を
持つことが大切だと思います。

そしてこれは
いつもお話ししている

組織の成果を出すための

人材力×組織力×関係力
回し続けることに、他なりません。

お読みいただき、ありがとうございました。

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