「タイパ」が当たり前の人たちへの伝え方

第806号

以前yahooニュースで、
B’zの「LOVE PHANTOM」のイントロは
飛ばすのか?という記事がありました。

あの印象的なイントロを聞かずに
飛ばす、なんて想像できませんが、

今はそれが普通のようです。

最近は音楽に限らず、映画や映像を
早送り再生しながら観るのが当たり前に
なっています。

動画配信サービスにも、1.5倍とか
2倍で見られる機能が最初から
ついているほどです。

『映画を早送りで観る人たち』

という本が最近発売されて、
作者の稲田豊史さんがラジオでインタビューを
受けているのを興味深く聴きました。

今どきは、映画の10秒の
無言の場面はムダととらえて、
観ないで飛ばすそうです。

作品を鑑賞するのではなく
情報として捉えている、
ということらしいのです。

早く正解を知りたい、
知らないと不安、
だから倍速、という構造です。

もはや石の上にも三年は
通用しない。

石の上にも3秒だと
言っていました。

ウルトラマンの3分すら
長いということなんですね。

石の上にも三年も、
思えば、年功序列です。

人を育てるには時間がかかる
と考える経営者と倍速世代

彼らに経営者の想いは
伝わるのでしょうか。

皮肉なようですが、
結局のところ

”飛ばさず、しっかり、まず聴いて
しっかり伝える”

簡単そうだけど難しい、
ここに尽きると思います。
————————————————————-

”タイパ”とか”タムパ”という言葉が
あるそうです。

”タイムパフォーマンス”の略です。

それなら、結論や要点だけ
伝えたほうが、むしろ
伝わるのかなぁとも思いますが、

情報として伝えるなら、
それでよいかもしれませんが

想いや考えを交換しあうのに
ツイッターの文字数(140文字)で、
というわけにはいきません。

結局、要点だけを伝えている限り
『言われたことだけをやる』
という仕事のスタイルにも
なってしまいます。

伝わりやすくするために、
『伝えたい要点の前後』を
説明することは
ムダではなく大切です。

タイパを常に意識してような
人たちも、

丁寧に聴いてもらうことを
体験すると、

ありがたさ、心地よさを
実感します。

この実感が、上司の話も
聞いてみようかなぁという
聴く姿勢を作ることに
つながります。

聴く姿勢が整ったところで、
いよいよ伝える番です。

そのポイントは、
小さなゴールを設定
することだと思っています。

倍速に慣れていると
育つには時間がかかる
という言葉は

先が見えない、不安しか
ありません。

今は、学生時代から
キャリアについて
学んできているので

こうなりたいために
今何を学べばよいか、
という逆算の考え方をします。

これもタイパかもしれません。

だから3ヶ月で、
思っていた仕事とは違った
という理由で

あっさり辞めていく社員も
いるのだと思います。

時間軸をどこに置くかによって
評価も決断も違ってきます。

短い時間軸ではデメリットでも
長い時間軸で見るとメリットに
なることがあります。

もちろん、その逆もあります。

これって、みんなつながっていて
どこで切り取るかによって
見え方が違うということで、

思っていた仕事とは違った
というのも、

時間軸を長くすることが
できれば

違う答えになる可能性が
あります。

倍速がなかった時代の
私たちだって、
3秒ほどではないですが、

あの時もう少し我慢していれば

こちらを選択していれば

という後悔や反省のひとつ
くらいはあります。

そもそも年代に関係なく
誰もが無意識では
短い時間軸で考えてしまう
ものです。

最初から意識して、
長い時間軸で考えるように
なるのは難しいので、

ある程度予想がつく時間軸の
範囲で選択するところから
始めていくことです。

伝える側が、徐々に時間軸を
伸ばしても考えられるように
伝えていければ、

想いを伝えるには回り道の
ようですが、

効率のよいやり方だと
言えるんじゃないかと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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