その質問の正解はひとつじゃない

第771号

先日研修に参加して、その振り返りで
「正解とは限らないと思いました」
という発言をすると、

講師から、「正解とかは、ないからね」と
笑顔で、すかさずチェックが
入りました。

講師はいっしょに学んできた人で、
さすがの指摘でした。

今日は、正解はひとつじゃないという
お話を社会保険労務士としての自戒も込めて、
お話したいと思います。
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私の意図は、
”正解という発想を捨てよう”
という意味だったんですが、

正解という言葉自体を用いることに
注意深くしなければ、と
あらためて感じました。

つい人は正解を求めたくなります。

たとえば、人事制度の本は
書店に行けばたくさん並んでいます。

経営指南の本もそうですね。

手を変え品を変え、いろんな本が出ている
と言えます。

結局うまくいかないから
いろんな視点からの手法が編み出され
本になって並んでいます。

誰にとってもうまくいく

という本はない、ということです。

だから、そのなかから一番なじむものを
取り入れれば、

自分がイメージするものに近づく、
ということなんだと思います。

難しいのが、今は自分にフィットする
考え方も

時間がたてば、ギャップが
生まれることも普通にあります。

だから評価制度作成で
よくお伝えしているのが
70%の完成度でスタートしよう、

ということです。

これは早いタイミングでお伝えしています。

だんだん評価制度の難しさがわかってくる
作成も終わるころには、完璧を目指しがちです。

そのタイミングで70%と言っても
なかなか耳に入りません。

だから、70%で作るのが
評価制度の作成方法なんだと

「作り方」として、

理解してもらうために
最初の時点でお伝えします。

でも、どこまでやれば70%完成
なんでしょうか。

一つの指標として
「定石」というのがあります。

碁でいう、現時点での最善とされる
手のことです。

あるいは、パターンですね。

最初から、作りこみ過ぎないことです。

ですから、定石通りに
いったん作ったら
あとは、実践あるのみです。

それでも、躊躇したら?

「どうなったらいいのか」

ここがあらためて決まると
一歩前に進むことができます。

100%作ることが目的ではない
ことに気づくことができます。

社外専門家の私の役割は
評価制度に限らず、

日頃の人事異動や解雇など
労務相談の場面では

経営者の方から、

一見すると、正解を求められて
いるようにみえて、

でも、そのとおりに行動なさるとは
限らないことがあるのを見るにつけ、

実のところ、

選択肢や情報を示して
「気づき」や「決断」を
導き出せるような

メンタリティを作ることに
関与することなんだと

ここ最近、あらためて
思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

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