組織づくり ”成長したいと思う気持ち”

第245号

日本ラグビーフットボール選手権大会決勝が
15日秩父宮ラグビー場で行われました。

 


毎年1月下旬に行われるラグビー日本一を決める大会であり、
秋から行われた日本のラグビーシーズンの締めくくりとなる
試合です。

私の記憶では、社会人チーム代表と大学チーム代表が
対戦する形式の印象が強く、1月15日が成人の日だった
当時は、この日に行われてきたものです。
毎回晴れ着姿の観戦姿が映っていました。

2017年度の第55回大会大会からは
トップリーグの順位決定トーナメントを兼ねて
行われるようになったということで、
大学チームの参加がなくなったようです。

この日に行われた決勝は、
2019年のワールドカップの強化を優先
した日程のようですが、大学の参戦は
ワールドカップ後も予定されていないようです。

当時、慶応が社会人を破って日本一になったり、
早稲田と新日鉄釜石の試合など、楽しみだったことを
思い出します。

ラグビーっておもしろいなぁって思わせてくれたのが、
ちょうど今年決勝を戦う神戸製鋼であり、
ラグビー部を創設したばかりのサントリーでした。

久々に両雄が決勝で当たるというので、
予備知識なしでテレビで観たのですが、
点差は差がついたのですが、おもしろかったです。

神戸製鋼といえば平尾誠二選手としか
思いつかない私ですが、今は、
元ニュージーランド代表のカーター選手が
スタンドオフをつとめます。

プロのラグビー選手としてのキャリアを
日本、そして神戸製鋼で終えるつもりでいる
というカーター選手ですが、
見事に、神戸製鋼を18年ぶりの優勝に導きました。

神戸製鋼の何がかわったのでしょうか。

 

来日記者会見で

私のプレーを見れば、ラグビーのことをわからない方も(トップリーグで)私のスキルを見て、おもしろいと感じると思います。精度の部分、一貫性の部分も見てほしい

そう言ったように、まさに
一本芯が通った一貫性のあるチームに
生まれ変わらせました。

カーター選手と同様、新しく加入した
総監督のスミス氏が目指すスタイルを示し、
それを具体的に示したのがカーター選手です。

何を目指すのか、どう目指すのか
選手たちは具体的にイメージすることができたのでしょう。

チームで成果を上げる場合には、
チームのメンバーが、
イメージを共有することが大事です。

18年優勝から遠ざかっている選手に
やればできるという強い気持ちを呼び覚ましたのは

神戸製鋼の歴史を積極的に聴くことで、
カーター選手は神戸製鋼の歴史に敬意を示し、
選手たちは、過去の歴史を振り返ることで、
誇りと自信を取り戻しました。

今季「きついことから逃げず、
率先して苦しいことをするイメージ」
として”スチールワーカー”を
理想の人間像にも掲げました。

ハードな練習にも耐えられたのには
こんなところも影響を与えているようです。

チームビルディングには
チーム一丸という言葉が似つかわしいです。

カーター選手は

「自分がいたからではなく、1つのチームとしてみんなが貢献できたことで優勝という結果になったと思う」

という言葉からも、決してエースに頼った勝利ではなく、
選手それぞれが、成長したいという思いをもって
戦ったからこそ、引きよせた勝利です。

チームが成長する段階を
4段階で説明したものが
タックマンモデルと言われるものです。

成長する段階は4段階で

①形成
②嵐
③秩序
④成果

という4つの段階を経るというものです。

①~④のなかの
どこかの段階を飛ばしては、
成果を出すチームにはなれません。

嵐を通らずに、秩序の段階にいくことは
できません。

嵐をいかに乗り越えるかが、
成果の出るチームになるためのポイントです。

Uの字のように、いったん谷に落ちて
這い上がるように上向きに上がっていくことから、
『谷をくぐり抜ける』という表現をしたりします。

このUの谷をくぐり抜けるためには
その先にある「成果」が
イメージができるから、
怖いながらも、前に進むことができます。

神戸製鋼が勝てたのは、
プレースタイルを身につけると同時に
まず、自分達の勝利をイメージできるように
なったことが大きいです。

成果をイメージするためのビジョンが
あるかないかですね。

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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