変化に対応できない組織

第244号

「女子の方がコミュニケーション能力が高いから」

すでにネット等でも物議をかもしている
医学部のある大学で不適切な入試が
行われたとして、各大学が事実関係を
自主公表した記者会見の中の
順天堂大学の会見での発言。

正式には、
「女子の方がコミュニケーション能力が高く、
男子を救う必要がある」。

と、言ったそうです。

そもそも余計なお世話な意見です。
そこには思いこみの言葉が2つも入っています。

女子のほうが ~ 高い

男子を    ~ 救わなければならない

 

会見では

「大学受験時点における男女を比較すると、
女性のほうが精神的な成熟が早く、
男性より相対的にコミュニケーション能力が
高い傾向があり、また、大学入学後において
男性側の成熟が進み、男女間のコミュニケーション
能力が縮小され、解消される傾向がある」

という発言もしていたといいます。

なんだかもっともらしく聞こえてきますが、
前提条件に少しでも科学的に
根拠があったとしても
不公平はダメなのです。

他の大学もここまでわかりやすい
偏った意見ではないものの、
ちょっと変、という発言を会見でしています。

医学部のある大学はみな、このように思っている
ということなのでしょうか。

 

ここで、女性と男性のコミュニケーション力を
比較して論じることは本筋ではないでしょう。

誰もこういうことを
公式見解として言うことを
止めなかったのだろうか?
というのが不思議です。

100歩ゆずって
人の意見はいろいろあるとしても、
組織としての見解として、
満場一致でこの意見
だったとすると、
大学組織は硬直していると
言わざるを得ません。

硬直すなわち、
「変化に対応できない」組織

「変える必要がないと思っている」と
言い換えることもできます。

そもそものこの男性優位の偏重の背景は、
医療現場が女性医師を敬遠し、
採用しないという差別が
公然と続いていることを受けて
行われていた、とも言われています。

だとすると、そこだけに眼がいって
本来、教育機関としての本分を
ないがしろにしたということにも他なりません。

 

多様性の時代に、
今まではまかり通った不適切な取り扱いも、
もうそれではすまされなくなったということに
気づけなかったことが大きな問題です。

 

医師の現場でもっとも尊重されるのは
患者のはずなのですが。

こういう視野の狭い価値観の中で
教育された医師に診察されることの
不安を感じてしまいます。

真にコミュニケーションがよい組織とは

人と違う意見を、良い方向に
導くための ”配慮” はするけれど

”遠慮なく” 言える場であり、
変化に機敏に対応できるというものです。

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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