
第1082号
普段、部下に仕事の指示を出すとき、
「いつまでですか」と聞かれて、
「なるべく早く」というような答え方を
した経験があるかもしれません。
実は、上司も、自分の上司から、
期限はいつまでと聞かされていない
ことがあるものです。
今の人員で仕事の生産性を上げよう
というとき、優先順位の決め方までも、
本人に任せるというのは、ちょっと
難しいです。
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「優先順位を考えて仕事をする」という
言葉は、みなが知っていると思うのですが、
優先度は何を基準にするのか、
その優先順位の決め方はどうやっているのか
教えてもらっていないことが多いものです。
いつまでに、という期限は、優先順位の
決め方の大きな要因のひとつですが、
それより社長から依頼された仕事を優先
することもあったりで、
現実には、何も考えず、来た仕事から
片付けていくのが、結果的には効率が
よいと考えることがあるかもしれません。

これを組織を継続させていくときの
思考のレベルで言うと

指示されたことをやる
『シングルループ学習』の段階
普段指示された仕事をするなかで
なにが重要で、何が緊急か、はっ
きりとはわからないまま仕事して
いる、という、いわゆる「シングル
ループ」の段階を経て、
わからないなかで、だんだん手探りで、
自分の判断や経験から順番を決めて
仕事をさばいていきます。
これは、
「適切な」物事に取り組んでいるか?
と問う『ダブルループ学習』の段階
自身の過去の経験等を参考にして
選択します。
社長は、
「基準なんて決まっているじゃないですか、
優先されるのは、緊急度と重要度のいずれか
です」
とおっしゃることがあるのですが、
上司の方からすると、緊急度よりも
重要度の高い仕事のほうを優先で
やってほしいときもあったりして、
緊急度と期限が必ずしも一致して
おらず、
この行き違いのしわ寄せが、たと
えば、残業という形であらわれます。
生産性が落ちてしまいます。
勿論、部下は上司に確認すればよいこと、
ということかもしれませんが、
すでに「できるだけ早く」という
指示で会社が回っているという、
仕事のパターンを崩せないのも
事実です。
そもそも何が重要なのか、
何が緊急なのか、
これを判断するには
上司が明確にして伝えることで
パターンを変える以外に方法は
ありません。
そうお伝えすると、
社長としては、上司の方には、
「そこも含めて、自分で考えて
判断できるようになってほしいんだ」
とおっしゃるのですが、
最初からは、無理です。
何が適切で、何が適切でないかを、
目的から判断するのが
『トリプルループ学習』
管理職にはこれが求められるのですが
何をもって、優先順位の上に持って
いくのか、という「何をもって」
という「目的」は
まずは社長が会社の目的として、
示すことが必要です。
社長が、社員に決め方や基準を
開示しなければ、
社員はわからないまま
「シングルループ」あるいは
「ダブルループ」の思考の
段階で止まって仕事をします。
社長が自分で判断して仕事を
することを望むなら、
「トリプルループ学習」の思考を
してもらうことです。
それには、具体的な
「何のため」が明確にされることです。
「トリプルループ学習」では、
示された「何をもって」が適切で
なければ
質問や意見を述べることも
必要です。
適切かどうかを判断する基準に
なるのは
自社は何を大事にしているのか
自社は何を目指しているのか
何のために組織はあるのか
つまり、ミッション、ビジョン、バリュー
です。
社長のなかに、がんばってくれて
いるんだけど、、、
というスッキリしないものが残ること
があるなら、
その原因は、
「何のため」という目的の共有が
されていないからだと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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