判断の一貫性を保つためには

第891号

先日、お客様から3ヶ月前に採用した
社員が辞めることになりました。という
ご連絡をいただきました。

最近はあまりやる気もなさそうで、
実は、社長もちょっと不安を
感じながら採用した社員だったと
いいます。

「やっぱり焦りは禁物ですね」
と自嘲気味におっしゃる社長。

社長自身が悔やんでいるのは、
こういう社員を採用したい、
と決めていたのに、

その説を曲げて採用してしまい、
一貫性が揺らいでしまったこと
でした。

一貫性を保つことは難しいです。
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私は社会保険労務士として、
開業して20年が経ちました。

つい最近、振り返る機会があり
思ったのは、

やらないと決めていたはずなのに
事務所の経営を安定させようとして
気乗りしない(苦手な)仕事を
やろうとしたことがあったなぁ

ということです。

講座で知識、ノウハウを仕入れて
先行投資して、

それでも、やっぱり、
できなかった、やらなかった
ということが何度もあります。

思い出すだけで恥ずかしい。
一貫性どころかブレブレです。

自分としては、その都度
よくよく考えたつもりなのですが。

人の行動にはすべて目的があって

・快を求めるか
・不快を避けるか

この2点です。

不快を避けることがダメという
ことではないですが、

不快を避けたところには
チャレンジは生まれません。

行動の源とするには「快」の
選択です。

では、好きか嫌いかの
好きなことをすればよいのか、
というと、

そもそも好きなことって
直感だけで決められる
ものでもありません。

人の認知機能には、

行動経済学でいうところの
システム1(直感的判断)と
システム2(論理的思考)が
あります。

システム1の判断を正しいかどうか
システム2がチェックするという
関係性です。

本当に好きではないのか?と、
考えることが重要だということです。

この、システム2で考えて
いるかどうか

これが、よくよく考える
(熟考する)ということです。

たとえ、ビジョンが
あったとしても

システム1(直感)は、
ビジョンとは逆の判断をして
しまうこともあり得るので
やっかいです。

直感で感じることは悪いこと
ではありませんが、

本当にそれでよいか、
判断するための時間を
持つことが大切です。

大きな判断するときに
深呼吸したり、

1、2と数字を数えて
落ち着かせたり、

知らぬ間に
”時間を持つ”動作を
やっている方もおられる
のではないかと思います。

システム1の判断が間違え
ていれば、それを修正する
ためにシステム2へ切り替える、

という作業のための
「一拍置く」という時間です。

思えば、私のような
経営者から相談を受ける
機会の多い者は、

この一拍置く(=システム2を発動させる)
ための役割である、
という認識をもっていなければ
ならないと思っていますす。

ところで、
システム2は
間違いがあれば修正する役割
ですが、修正がうまくいかない
ことがあります。

そうならないための
判断軸が『ビジョン』です。

現実には、ビジョンがあっても、
どうしても目の前のことに
追われると、

ビジョンが見えなくなる
ことがあります。

ビジョンをいつでも意識
できるようにするために、

会社の中でビジョンが明確に
なっていて、共有できていれば

ビジョンが見えなくなることは、
なくなるだろうと思います。

本当にそれは自分にとって
「快」なのか。

言い換えれば、
ビジョンとつながって
いることなのか。

こう考える時間を持つには
いったん、一拍置こうとする
自分なりの習慣を

最初は意識しながらですが、
自分なりのルールを作って
いずれ習慣にすることが
できれば、

一貫性を保つことができる
と思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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