上司が「教える」を積極的に行うために

第892号

入社して2週間近くになるが、まだ
上司から、ろくに話をしてもらえていない。

部長からは早く仕事を覚えてね
と言われたが、課長は忙しそうで、
なかなか質問しづらい。

まずはわかるところまでやってみてと
言われても、わかっているところがない。

知り合いの会社の人事部が
新入社員と懇談した際に
出てきた悩みです。

新入社員は新卒だけでは
ありません。

未経験でもいいから、と
採用された中途採用も
同じ悩みを持ちます。

パワハラの定義のなかに
「人間関係の切り離し」が
あります

あかるい職場応援団 パワハラ6類型より


労働者を仕事から外し、無視すると
いうものです。

もちろん、最初に挙げた
新入社員への上司の言葉も

わざと、とか

いやがらせしているわけではないので、

パワハラとは言えません。

ただし、パワハラの判断基準である、
身体的又は精神的に苦痛を与えられ、
職場環境が不快なものという職場環境に、
なってしまう可能性は否定できません。

職場環境というと
設備の充実や長時間労働の削減が
頭に浮かびますが、

上司、同僚との人間関係も
職場環境のひとつです。

不備があるなら、整備する
必要があります。

上司に、部下を教えるという
ことを、積極的にやってもらう
ためには仕組みが必要です。
————————————————————————–

職場環境には
休憩所の設置や設備の整備、
作業環境の改善等だけでなく
人間関係や仕事の進め方も
含まれます。

働き方改革だけでなく
職場環境とストレスは
密接な関係があることから、

メンタルヘルスの観点からも
職場環境の整備は大切です。

そして、
パワハラの視点から見れば、
職場環境の問題がパワハラを
引き起こす大きな要因でもあります。

厚生労働省では

・上司と部下のコミュニケーションが少ない
・正社員や正社員以外の様々な立場の従業員が一緒に働いている
・残業が多い・休みが取り難い
・失敗が許されない、失敗への許容度が低い

これらがパワーハラスメントを
引き起こす大きな要因のひとつ
だと言っています。

パワーハラスメント研修で
こうお伝えすると、
上司の皆さんも
「余裕を持ちたいよね」
と、おっしゃいます。

これでは生産性向上は
期待できません。

職場環境をあなどっていると
企業の成長にも大きな影響を
与えてしまいます。

時間を作って、
上司が教えればよい
とは簡単にはいきません。

中小企業はほとんどが
プレーイングマネージャーです。

業績を上げながら、
部下に教えるというのは
大変です。

だからといって教える
時間が取れないから
教えなくてもよい
ということにもなりません。

上司個々の裁量で、なんとか
時間を捻出しようとすると

それでは上司も疲弊して
しまい、職場環境の悪化を
招いてしまいます。

ブログでも何度かお伝えしている
『ホメオスタシスの壁』

知らない
 ↓
知っている
 ↓
やってみる
 ↓
わかる
 ↓
できる

このなかの
「知っている」
 ↓
「やってみる」
 ↓
「わかる」

実践する段階を踏むための仕組みが
会社のなかにできていない、ことが
問題なんだと思います。

それは会社が、
教えるということを
上司の仕事として
位置付けていない。

ということに
他ならないのではないか、
と思っています。

それでは、上司が教えることを
積極的にやることはないと
思います。

たとえば、
部下に教えて、
できるようにするというのが、
評価項目に入っていたら
どうでしょう。

上司は教えて育てる
ことを意識するように
なると思います。

上司に、自主的に部下を
育てるようになってほしい、
というのは、その先の話だと思います。

自分で気づくほうが
成長度合いが大きいから

まずは部下に自分で
やらせてみよう。
というのもわかります。

細かく指示を出すことが
教えることではありません。

だからといって
何も教えずやらせてみる
ことでもありません。

「知っている」の先に
「やってみる」があります。

まずは、いかに
部下を育てるために教える

ということを実践する
仕組みを作れるかが大切
だと思います。

そして「やってみる」から
「わかる」へ入ったら、

その先に、自律、自走が
あるのだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。
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