前提を疑う できない理由を考える

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗です

第055号

私は、評価制度の作り方セミナーで、
評価制度を作ることは
経営戦略のツール作りだと
お伝えしています。
そもそも、戦略を実行するにはどうすればよいのでしょうか。

社長は、常に、どうしたら戦略を実現できるか考えています。

きちんと社長の指示が現場まで浸透するにはどうしたらよいか
社員が納得して行動できるよう、十分な説明をしてから始めようとか

戦略実現のために、
手は打っていても
なかなかうまくいかないことがあります。

もっと一生懸命にやればうまくいくのでしょうか。

うまくいかない理由を挙げる前に、
なぜわかっていても出来ないのか。
それを考えることが必要だと
この本には書かれています。

「戦略と実行」
https://www.amazon.co.jp/dp/4822248453

当たり前のはずのことがなぜこれほど難しいのか。
前提の見直しが必要だと書かれています。

前提は、よほどでない限りいちいちチェックしたり、議論したりしません。だから「前提」というのです。しかし、前提はすべての議論の土台であって、その前提が間違っていれば、議論がどれだけ精緻に組み立てられていても、どれだけ努力をしても、問題は決して解決することはないのです。

「戦略と実行」のなかでは、戦略が実行できない問題点として
以下を挙げています。

1.トップの鶴の一声(あれもこれも)
2.時間・準備不足
3.戦略が不明瞭
4.実行と評価制度がリンクしていない
5.責任が不明確
6.部門間の対立
7.納得性が低い
8.片手間の実行
9.情熱・本気度の不足

これらがどうしたら効果的に
実行されるかを考える前に、
実行するための当たり前と思っている
前提を疑う、見直すことです。

たとえば上記
1.トップの鶴の一声(あれもこれも)

前提1:トップは「思いつき」でなく分析に基づいて指示を出すべきである
前提2:「あれもこれも」では現場が混乱するので、トップはトレードオフをはっきりさせ、優先順位の明確な指示を出すべきである。

納得できる前提のように思いますし、よく聞く話でもあります。
でもこの本では、これを見直して見ましょう。というものです。

というのは、
アイデアは思いつきから生まれるのであって、
過去からのトレンドを踏襲するだけというのであれば、
組織は成長しない、という視点から、
前提を見直してみるものです。

もちろん、良い思いつきもあれば、
悪い思いつきもあります。
ここでは思いつきはダメ という
価値観は疑いましょうということ。

そこで見直された前提というのが

前提1:分析は戦略ではない。戦略という未来への仮説は様々な要素の非線形的な統合である「思いつき」からしか生まれない。

前提2についても
トレードオフ(取捨選択)優先順位とかは、
決断に必要な最新情報は現場にある。
優先順位をいったんつけると、
それを言い訳にして社内が弛緩することを
トップは恐れているというのです。

そこで見直された

前提2:トップはトレードオフの重要性を認識しているが、できる立場にないことが多く、また逆に優先順位をはっきりさせることによる副作用を懸念している。

このように、前提は変わるものです。

現在のように市場や社会環境が変わって、
構造自体も変わりつつあるなかでは、
なぜ戦略が実行されないかという理由以前に、
実行するための前提を見直すことも必要です。

あたりまえだと思っていることができないとき、
まずはそのあたりまえとしている前提を
疑ってみてもよいのかもしれません。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

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