パワーハラスメントをなくすためには

第855号

先日20年ぶりに、勤めていた会社の
後輩2人と食事をしました。

20年会わなかったことが嘘のように
話が弾みました。

それは、今もその会社に勤めている
後輩が教えてくれる会社の状況が
なつかしく、昨日のことにように
思い出され、

良くも悪くも変わっていない
からでした。

そんな会社にもパワハラは
あるようで、

20年前と変わっていない
からこそ

パワハラが起こって
いるのかもしれないと
話を聴きながら思っていました。

後輩から
「どうにかしてくださいよ~」

そう言われても。。。

まずは、
自分たちでどうしたら
なくなるか、
考えられるようにならないと、
パワハラはなくなりません。
———————————————————————-

今年の4月から
改正労働施策総合推進法
(通称パワハラ防止法)が
中小企業でも義務化されました。

ずいぶんパワハラの認知度は
上がったと思うのですが、

労働環境の改善は、
そこに追い付いていません。

パワハラのことを言わずに
辞めてしまう人も多いようです。

人が採用できない、と言われて
いるときに、これってなんだか
もったいないです。

法律で、職場におけるパワーハラスメント
防止対策のために事業主が講ずべき措置、

というものが義務化されても、

それに則って、相談窓口を設置したり、
研修をしても、

パワハラが減るということには
つながらないのが悩ましい
ところです。

何度か行為者にも面談してきましたが、

そこから感じたのは、

「無自覚ハラスメント」と言われる
ものでした。

これは、世代によってハラスメントに
対するボーダーラインが異なっていたり

自身が受けてきた指導方法や
自身の経験をもとにした言動が、

ハラスメントに該当する可能性が
あることを気に留めていない。

というものです。

正直なところ、判断するのに
グレーな領域が広いのが
パワハラの難しさだとは
思うのですが、

世代間に限らず、
行為者と相談者の間には
いつもギャップを感じます。

修復不可能なところまで
ギャップが広がる前に

日頃からのコミュニケーションが
大切なことは言うまでもありません。

そもそも上司に相談できる
安心安全な環境づくりが
必要でしょうし、

上司は上司で

重要な問題と認識し
自部署のなかだけで解決
しようとせず、相談窓口に
橋渡ししているか

これら、

再発防止策として
やるべきことや
課題は挙げられると
思います。

でも、これを
上からの指示として
受け取るのでなく、

どういうことができていれば、
パワハラをなくせるのか

パワハラのない職場になるのか

まず自分たちで考えるところ
から始めることが、
パワハラをなくすうえで
大切です。

日頃から
上から指示を出すだけの
風土の会社であれば

「やりなさい」と
指示されれば、
ちゃんとやろう、とは
すると思います。

でも、それでパワハラが
なくなるとは限りません。

言われたから、やる
というのでは、

部下によって
言い方、伝え方を変えてみよう
とか

自分なりの工夫をしないと
思います。

それは、

パワハラはやってはいけない
ことだからなくそう、

ではなくて

言われたからやっている

という認識だからだと
思います。

案外、こういう会社は
多いんじゃないか、
って思っています。

それでも、パワハラが
なくなればよいのですが、

一端は、なくなったように
見えるかもしれませんが、

パワハラはまた起こり、

同じ人が繰り返したり

そして、離職者は減らないでしょう。

会社がよくならなければ
離職者は減りません。

パワハラをなくすことが
ゴールではなくて、

パワハラのない労働環境で
業績を伸ばすことが目的だと
私は思っています。

パワハラが経営問題たる
ゆえんです。

パワハラに限らず、
問題解決を図る際に

何が適切で、何が適切でないかを
判断する組織作りの思考に、

指示されたことをやる
 「シングルループ学習」
いうものがあります。

シングルループでは
まだ既存の考え方を踏襲
したものですが

そこから一歩進んだ
「適切な」物事に取り組んでいるか?

と自分たちで考える
 「ダブルループ学習」

何が適切で、何が適切でないかを、
目的から判断する
「トリプルループ学習」

このような思考で考えられるように
なると、

自分たちで決めたことことだから
やりとげよう、

という、今までとは違った
アプローチができるように
なって、組織が強化されます。

今までと違う思考をして
行動することが、
パワハラのない職場に
つながります。

その第一歩が、
自分たちで考える、

ということでもあると
私は思っています。

今までのやり方を変える
ということは、簡単では
ありません。

簡単ではないからこそ、

経営課題として取り組めるか
どうか、

だと思います。

再発防止策の最初に挙げられている
トップのメッセージは重要です。

お読みいただき、ありがとうございました。
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