評価の正解ではなく、最適解をみつける

第833号

士業という仕事柄もあるでしょうが

あるいは、法律を扱う仕事なので、

「これってどうなんでしょう?」
と聞かれたら、

反射的に、正解を求められている
と反応することが多々あります。

実際、質問されてお答えすると
それが正解(正解を言っている)
と受け取られることが多いです。

でも厳密には、正解はありません。
あるのは、最適解です。
———————————————–

人は自分の持っている情報から(のみ)
合理的に判断する(=限定合理性)ものです。

ただ、それでは見えていないことも
あるだろうと考え、

そこに、私からの情報も取り入れて
判断しようとするのですが、

私の情報が自分の情報とすりあわせ
られない(思っていることと違う)と判断
すれば、

私の情報は自分の情報に組み込まず、
持っている情報だけで判断します。

どうしたらいいか教えてほしい
と言われてお答えしても、

経営者や人事、総務の方、
その通りに対応されていない
ことって、確かにあります。

法律論から言って、
決してやってはいけないことは
強く意見しますが、

どこまでいっても
人は自分の見ているものからしか
判断できないので、

選択肢を示し、情報を提供は
しますが、

あとは、しっかり選んでもらう、
しかないと思います。

今、目の前の問題の解決と
将来こうあるために今何をするのか

時間軸を意識したうえで、
このバランス、比重をどうするかを
判断した結果、出した答えが
その会社のその時点での正解。

最適解です。

そうは言っても、本当のところ、
「本当にそれでいいんですか?」
と、つい言ったり、

言わないまでも思ったり
してしまっているのですが。。。

さて、

『評価シートの正解をお伝えします』
と謳ったセミナー案内を立て続けに目にしました。

セミナー案内としては
こういう断定的な伝え方も
ありなのかもしれませんが、

実務的に考えると
評価に正解はあるとは
言い切れません。

いつもお伝えしているように、
あるのは納得です。

正解を求めると
ますます正解が定まらない
(うまくいかない)のが、
よくある現実です。

問題なのは、
他者に正解を求めることです。

たとえば他社事例とか
一般論だけに終始する
外部講師による評価者研修とか

正解があるとすれば、
それは、自分達で正解と決める
ことです。

自分達で決めたから、
納得できる、というものです。

では、正解がないから
常に今の最適解を見つけるのが
よいと考えて、

その都度、一から考える
というのは、

さすがに整合性がとれなくなる
ことがありそうです。

ブレてしまって、その場しのぎ
と言われかねません。

そうならないために、
型は持っておく必要はあると
思います。

つまり、型→パターンです。

パターン→類型と考えると

再現性のあるものを持つことが
重要だということになります。

自社にとっての”再現性です。

この再現性をもってして
正解というなら
評価に正解はあるとも言えます。

評価の決め方
賃金の決め方
そして運用方法

これらそれぞれの作り方を
どううまくつなぎ合わせて
ゴール(制度の完成)に
もっていけるかは

最初に

何のために作るのか
どうなりたいのか

と考える、

この「考え方」と「作り方」が
相まって
ゴールに進んでいくことです。

8月31日の日本経済新聞の朝刊1面に

「厚労省 全社員にジョブ型促す」
という記事がありました。

またジョブ型導入の議論が再燃
するのかもしれません。

うちの会社には導入は
できるか、できないか

二択で正解を考えるのではなく、
最適解を模索していきたいものです。

お読みいただき、ありがとうございました。
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