第828号
今週、「人的資本」について学ぶセミナーを
受講しました。
1月の岸田首相の施政方針演説より
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人的投資が、企業の持続的な価値創造の基盤である
という点について、株主と共通の理解を作っていく
ため、今年中に非財務情報の開示ルールを策定します。
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これに端を発し、日本経済新聞の1面でも
とりあげられたりしたので、
聞いたことがある、という方もおられる
と思います。
人材を「資本」として捉え、その価値を
最大限に引き出す「人的資本経営」という概念が
上場企業に対して人的資本の情報開示の
機運が高まっていることもあり、注目
されています。
この人材の価値を最大限に発揮するためには、
経営方針や仕事と、従業員を結ぶ役割として
管理職の意識と行動力が重要だと言われて
います。
求められるのは、部下を管理、指導する
だけでなく、
部下の強みを発見したり
風通しのよい組織を作る力や
経営戦略と自部署の状況をスピーディに
把握する力など、
管理職に、あらたな役割が求められます。
管理職という名称は同じでも
目指す目的が変われば、役割は変化
します。
手法が変わっていくものというのは
理解していても
そもそもの役割って、ずっと固定
されたままではないでしょうか。
研修で学ぶことはあっても、
管理職の役割を明文化して
伝えられていないように思います。
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管理職の役割が変わったとお話しすると、
管理職の方は、また仕事が増える、
と思われるかもしれません。
どうしても今ある仕事に”加算して”
と考えてしまいますが、
それでは、意識は変わりません。
少し前まで、顧問先の中小企業から
”即戦力”という言葉は聞いても、
”育てる”という言葉は、
私は、聞きませんでした。
それが、今、少子化で
なかなか人の採用が進まないことも
あって
人を育てるには時間がかかるから
早く取り組まなければならない、
というように
”育てる”意識に変化していることを
感じます。
人的資本の話は一部の大企業に該当
する話だとしても
そこにでてくる「人的資本の最大化」
という概念は、
チームビルディングの考え方でもある
今いる人材の底上げをして
より高い能力(ポテンシャル)を
発揮して生産性をあげる
ということに通じ、
中小企業に必要な取り組みだと
思います。
「人の成長なくして業績の向上はない」
と、お客様の100年続く老舗企業の社長は
言い続けていました。
コロナ禍のなか、
人事制度も修正、変更しても
上司の役割の再定義は
していませんでした。
というより、明確化して
いませんでした。
人的資本に戻ると
金融庁が2023年度にも、
有価証券報告書に人的資本に
ついて記載することを義務付ける
として、
情報開示が望ましいと指針で
取り上げているもののなかに
「育成」があります。
情報開示には
「数値化できるかの視点」が
基準のひとつに含まれています。
人の成長を数値化する。
ということです。
対面でなかなか向き合えないことも
あって、評価制度では、より評価
項目を定量化する傾向が強まってきた
結果、
いわゆる目標設定して
それを管理するというのが
増えました。
目標管理は、なかなかうまく
活用できません。
形骸化が挙げられますが、
それは「目標を管理」している
からだと思います。
正確には「目標による管理」です。
目標によって何を管理するかと
いえば、人の成長です。
管理職の役割として
「部下の成長を管理する」
と、まず(再)定義すること
だと思います。
そのうえで
目標を設定することで
そこまでのプロセスで
いかに成長してもらうか
ここに焦点をあて
できているかどうかを
管理すること。
これが仕事です。と
明確にすることが大事
だと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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