メッセージは色あせない

第436号

きょうは戦後歌謡界の女王、美空ひばりさんの命日です。
享年52歳。
そんなに若かったんですね。

もうとっくに私はその年齢を越えていますが、
そう考えると、いかに美空ひばりという人が
老成していたのかを思い知ります。

亡くなったのは平成が始まった年だったことから、
彼女の死で昭和が真に終わった、と
言われたことを覚えています。

若者のなかには名前も曲も知らない人が
少なくないだろうと思われますが、
それでもきっと一定年齢になると
カラオケで歌っているような気もするのです。

没後30年ということで、
音源等を販売している日本コロムビアが、
これまでシングル盤で発売した517曲について、
最新の工場出荷枚数を集計しました。
この数が多いほど売れたことになるというものです。

もっとも売れたのは
「川の流れのように」205万枚。
いまだに美空ひばりが懐メロというくくりに収まらず
古びてしまわないのは、平成に発売された
この曲によって、その名と歌が認知されて
いるからです。

アルバムのなかの1曲でしかなかったこの曲を
はじめて強くひばりさん自身がシングル化を
望んだことでも有名です。

ひばりさんは、自分の歌から遠い30代の人に
メッセージとして残す1曲としてこの曲を選んだんです。

 

ちなみにシングル第2位は柔 195万枚。
レコード大賞受賞曲です。

第3位は悲しい酒155万枚

確かに、第1位と2位以下の曲では、
少し世界が違うような気がします。
ザ・昭和っていう感じですね。

美空ひばりの歌の上手さを示すなら、
病から復帰後、公開レコーディングした
「みだれ髪」もあります。

星野哲郎、船村徹という黄金コンビが
作った曲で、ひばりさんに自信を持ってもらうために、
あえてこれまでより半音高い音域で作曲されていた
という逸話もあります。

話題性十分です。

それでもひばりさんが強くシングル化を望み、
ひばり人生の第2章の幕開けの想いも込めた
1曲には敵いません。

人生の応援歌を届けたい!

歌は時代とともに移り変わりますが、
普遍的なメッセージをもった曲は、
作り手が伝えたいと思うことがあって、
それを時代の寵児秋山康さんが
伝わるように提供した結果、

時代を越えて心に響く曲となりました。

メッセージというのは
伝えたいという想いだけではだめで、
相手に伝わるように伝えないと届かない。

というのは、歌だけの話ではありませんね。
伝わらなければ甲斐がありません。

でも、まず想いがあること
これを忘れてはいけないと
思うのです。

”メッセージは色あせません”

お読みいただき、ありがとうございました。

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