
第1076号
横綱昇進を伝える使者に、史上最速で
昇りつめた大の里は、「唯一無二の横綱を
目指します」と決意を述べました。
これまで新横綱の口上は、難しい四字熟語
が続いてきましたが、非常にわかりやすい
言葉である分、インパクトの強い言葉として、
印象に残ります。
組織も、唯一無二を目指すことができます。
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唯一無二を考えるとき、
必要なキーワードは
組織の成果を上げる3つの要素の
「人材力」×「仕組み(組織力)」×「関係力」

会社が掲げる目標を
個人の目標に落とし込んでも
目標達成ができない
評価制度の日々の部下面談
が、機能していない
ビジョンが浸透しない
このようなお悩みをお聞きする
ことがあります。
これらは、一言で言えば
社員の方に自分事として取り組んで
もらえていないことが原因だと
考えられます。
つまり、
自分が考えた目標ではないから
自分事として取り組めない
上司として評価制度が腹落ちして
いないので、自分の言葉で部下を
支援することができず、
部下面談が部下の成果につながらない
ビジョンを具体的な事例として
落とし込めていないので
自分事として取り組めない
唯一無二の第一歩は
会社がやろうとすることを
「自分事」として捉えてもらう
ところからだと思います。

「自分事」となっていない
のであれば、
だったら、上で挙げたような
できていないことをできるように
反転させれば、
自分事にすることができる
ということだと思います。
・自分で考えて、目標を立てる
・評価制度を腹落ちさせて自分の言葉で定期的に部下面談する
・ビジョンを日々の業務のなかの行動に落とし込んでやってみる
いずれもポイントは、
自分で考える
自分でやってみる
主語は「自分」です。

自分でやると決めただけでは
続きませんから
こういう行動をやらざるを得ない
環境を設定するという、
仕組みに落とすことが必要です。
ルール化だったり、行動するための
予行演習だったりもそうです。
抽象度を上げて言い換えれば
自分でやってみる「仕組み」と
組織は一人ではなく「チーム」ですから、
実践の過程において一緒にやってみるための
「関係力(話し合い、やってみよう)」
これらができれば、自分事と
することにつながります。
「仕組み」×「関係力」づくりは、
他社でよい事例があれば
参考にしたり、取り入れることが
できます。
そうして、これができる時点で、
かなり良い組織にはなりますが、
唯一無二とはまだ言えません。
”他にはないもの” とするためには
人材力の視点が足りていません。
人材力の視点とは社員ひとりひとり
の、強みや能力、スキルなど。
あるいは
弱みを互いに補完し合うことも
人材力です。
自社の社員の強みや弱みまでもを
活かせることができると、
汎用性のある仕組みや関係性づくりに
会社独自の色が加わることになります。
「人材力」×「仕組み(組織力)」×「関係力」
これらを掛け合わせることで
唯一無二の組織となることが
できます。
組織のなかに人材力を埋没、吸収
しないように、
「個性」として、組織のなかで
引き立たせることです。
唯一無二とならせているのは
「人」という価値です。

「人」だからこそ、
唯一無二はそうそう、簡単ではない、
ということもよくわかります。
商品開発されている方とか、
選ばれる専門家として研鑽されて
いる方からすると、
価値は、情報やアイデア、経験
だったりするかもしれませんが、
それも生み出すのは、少なくとも
まだAIではなく、人によるところが
大きいです。
大の里が大関昇進時も「唯一無二」と
述べた言葉を横綱昇進時も使った理由が、
「自分にはこの言葉がぴったりだと
思った」と言ったのは
ご自身にとって、一番しっくりくる
言葉だからで、
大の里にとっての「ミッション」
(自分が存在する意義)ということ
なんだと思います。
ミッションは、簡単に変わるもの
ではありません。

組織づくりでは確かに目指す ”ビジョン”
も大切ですが、
それを支える、変わらずあり続ける
”ミッション” が明確かどうかが
唯一無二の組織を目指して、実際に
それができるかどうかを分ける要因
だと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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