面談や対話を増やすとコミュニケーションはよくなりますか

第819号

「最近、人が辞めていくんです」

社長がZOOM面談で、ぼそっと
おっしゃいました。

なんとかしたいとおっしゃるので
詳しくうかがってみると、

その部署では、個別に上司と部下が
面談する時間を作ったりして
関係力を高めようとしているのですが、

最近入った社員が次々に辞めていく
というのです。

「もっと面談の回数を増やしたほうが
いいでしょうか」

と、聞いてこられます。

確かにコミュニケーションがよくない
ことは、間違いないようですが、

面談の回数を増やしても
よくなるとは限りません。

コミュニケーションがよくないとき、
もっともっと、コミュニケーションを
よくして関係性を高めよう!と、
考えてしまうかもしれませんが、

組織の問題は究極
人材力と組織力と関係力という
私たちが提唱する『SSR理論』※に
集約されます。

言い換えれば、
3つの要素(人材力×組織力×関係力)が
つながりながら、
繰り返しループすることで
組織は強化されていきます。

関係力のひとつである
コミュニケーションが
よくないときは、

つながっている組織力に
原因があるかもしれない。

と考えてみることも必要です。

※『SSR理論』とはこちらをご覧ください。
https://sokoage.net/flow/
(私がチームビルディングを学ぶコミュニティのページです)

——————————————-

人が辞める=人間関係

そう考えてしまうと

人間関係をよくしよう→コミュにケーション
と考えて、

・対話を増やす
・面談する

ということをまず
考えるかと思います。

関係力をよくしようと思うときは
その前の組織力はどうだろう?

という視点が大切だと思っています。

もう少し冒頭の会社について
お話しすると

人が辞めていく技術部は
大企業からも一目置かれる
腕のよい古参社員が多く在籍
しています。

事業承継を機に、
新しい社員を入れて
活性化をはかろうと
していたところ、

新入社員の退職者が
相次いでしまった、

というわけです。

別段、古参社員が口をきかないとか
技術を教えていないということは
ないようです。

早く自分たちのやり方に慣れて
ほしいと思っています。

ポイントは

これまで自分たちで、
問題なく仕事ができていた

自分たちのやり方に慣れてほしい

という古参社員の考え方と

新しい社員を入れて
活性化したいという

社長の考えとのギャップです。

今のままでいいと思っている
古参社員と社長の気持ちのズレが
新しい社員の離職となって
あらわれてしまいました。

入社するとき、社長から
君たちの新しい考え方と
現在の技術力をうまく融合
させてほしいと言われて

意気込んで配属されたのに
実際は違う、

ということも、
不信感を招いてしまった
ようです。

新しい社員を入れれば
仕事のやり方を見直して
くれる、

というわけには
いかないものです。

まずやるべきことは

社長は、
社員に向かって

こういう組織になりたいんだ
という

目標やビジョンを示す
ことでした。

これを明確にしないまま
なし崩しと言っては
申し訳ないですが

何も伝えないまま
新しい社員を入れても
現場は混乱するだけです。

もちろん、

新入社員を入れる意図を
何も伝えていなかった
わけではないと思います。

ただ、いつの間にか、
仕事の目的よりも
自分たちの仕事の進め方(ルール)が
最優先されてしまっていました。

そもそも人は簡単には
変わりたがりません。

私は『組織力』のなかでも
重要な要素のひとつが

「なぜそれをするのか」

ということを明確にすること
だと思っています。

そしてそれを伝えるのが
『関係力』です。

どちらだけではなく
どちらも必要なんですが、

何を伝えるのかが
明確でなくては、
コミュニケーションは
うまく機能しないと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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