手当をルール化するときは

第679号

同一労働同一賃金と
テレワークの影響で

手当について、

・見直しを考えている

・来年から変更する

という会社が
私の関与先でも
増えています。

こんな記事が目に入りました。
12.10日本経済新聞朝刊

在宅勤務など新しい生活様式が広がり、
企業の福利厚生施策にも変化が表れている。
パーソル総合研究所(東京・千代田)が
実施した「福利厚生実態調査」によると、
在宅勤務手当の新設が「確定」している
企業は12.5%だった。
新型コロナウイルスの感染拡大による
柔軟な働き方に合わせた福利厚生の提供が進んでいる。

在宅勤務手当については、
派遣社員を対象として
アデコ株式会社でも来年4月
から「在宅勤務手当」を導入する、

というニュースリリースも
ちょうど目にしました。

柔軟な働き方に敏感に対応した
大企業を中心に、手当の改廃が
進んでいます。

この春から働き方が変わって、

規程や、手当の改廃など
ルール化を検討・着手する会社が
増えているということは

いよいよ今の働き方が
一過性でなく、

定着、促進しよう
という流れが
進んでいるということです。

なぜ、そう思うのか?

新規プロジェクトであったり
何かクリエイティブな仕事をするときは

効き脳のA~Dのすべての
特性をうまく活用する
という考え方があります。
(クリエイティブプロセスと言います)

アイデアマンのDがアイデアを創出し

理論派のAがアイデアを分析・定義し

人情派のCがひとつにまとめ

再びDが最終確認し

実務家のBが実行します。

わかりやすく
ルールをまとめるのは
Cの特性で、

ルールを実行するのは
Bの特性です。

つまり、今、
ルールを作ろうとしているのは

クリエイティブプロセスの
Cの段階ということになります。

ここで大事なことは
実態にあった手当を出そう。
というアイデアから
いきなりCに
飛んでしまうと

手当が増えただけ、
ということになって
しまいかねません。

Aの検証、分析が
あってこそ

意味のある手当
として定着します。

現在、在宅手当だけでなく
上記の日経新聞の記事によると

通勤手当の廃止、縮小を
確定、検討中-37.6%

研修やセミナー参加費補助や
人間ドッグ等健康関連の施策も
検討されているとのことです。

これまでの手当の新設を見ると

賃金総額を
基本給以外で
増額するために

手当として支給して、
総額で、遜色ない
賃金にしてきた、

という経緯があります。

実力、能力を反映した
基本給になっていない

と、会社もわかっているので

賃金制度を見直すときは
必ず、手当の改廃
あるいは変更をします。

賃金制度を見直すときに
基本給と賞与や退職金を
連動させない支給方法を
取れるので、

この機会に手当を見直そう、
となります。

さて、実際に、
有名無実化した
既存の手当を廃止しよう
とすると、

既得権の侵害となって
不利益変更となる
可能性があります。

そこで通常は、

・いったん支給していた手当を
基本給に組み入れて、賃金総額が
減額にならないようにする

・一定の経過措置期間を設けて段階的に減額する

これらの措置を講じることが多いです。

手当の改廃も簡単ではありません。

たとえ、総額では
必ずしも減額にならなくても

社員のために必要な手当に
変更するのだとしても

思いついただけで、
すぐ手当を付けたり、
止めたりしては

社員に意図が通じない、
かえって不安を招く

ということがあります。

賃金を人件費としてだけ
とらえると

名称の変更だけに見えても

人の関係性や
組織としてみれば

決してうまく
回るものではありません。

広い意味では
新たな手当の
創出(クリエイティブ)と、
とらえて、

分析し、定義してから

社員に説明する、
案をまとめる

このひと手間を
忘れないことが大事ですね。

お読みいただき、ありがとうございました。

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